ライスカレーは裏切らない
気が重い東京日帰り出張。
先週と同じ出版社だが、今日は午後から打ち合わせが始まる。
だから唯一の楽しみは、昼食をどこで食べるか、である。
思い浮かんだのが「ライスカレー」。
水道橋駅から、白山通りを神保町方面に歩き、途中の路地を入ったところに、「ライスカレー まんてん」という店がある。カウンターだけの狭い店。
学生時代、神保町の古本屋めぐりをする時、たいてい昼飯はここで食べた。それか、「天麩羅 いもや」の天丼。
最初に食べたのが、大学3年くらいのころだから、20年近く前。
いつも混んでいる。カウンターの真ん中で、店主のおやじさんが、忙しく動き回って、カレーを出している。口癖は「申し訳ない」。
カレーが「ライスカレー」と呼ばれていた時代の味。香辛料をふんだんに使ったインド風のカレーも好きだが、ひき肉がたっぷり入った、黄色くてどろっとしたこの店のカレーも好きだった。いわゆるB級グルメである。カツカレー(550円)にソースをかけて食べるのが最強。
東京を離れてからも、神保町に行くチャンスがあると、このカレー屋に寄った。しかしこの数年、神保町で古本屋をまわることがなくなり、しばらく行っていなかった。
水道橋から神保町にかけての白山通りは、大学や会社が多い。ランチの激戦地。ちょっと見ない間に、新しい店が次々とできている。
でも、その路地の「まんてん」は、昔のままだった。
相変わらず混んでいる。店に入ると、店主の姿は見えなかった。昔からいる女性の店員さんが、忙しく働いている。「申し訳ない」と、店主のおやじさんの口癖が移っていた。
カツカレーの値段が600円と少し上がったが、味もボリュームも全く変わっていない。ひっきりなしに客が入ってくる様子も変わっていない。
多少胃にもたれながら、出版社に向かう。
次にこのライスカレーが食べられるのは、いつだろう。
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