長い1日
12月13日(土)
長い1日だった。
韓国の人は、親切で、人間関係をとても大事にする。その分、つきあいが苦手で断り下手の私にとっては、苦労することも多い。
今日はソウルで学会だ。韓国での私の指導教授が討論者として参加されるということもあり、恥をしのんで参加させていただくことにした。
朝8:30のKTX(韓国の新幹線)でソウルに向かう。切符は、助教のアンさんがとってくれた。他にもう一人、中国人留学生のリュウさん。車中では、苦労しながら韓国語で会話し、日本のドラマ、アニメ、映画の話で盛り上がる。
会場の博物館に到着。学会開始まで時間があるので、博物館の展示を見学する。
13:30 学会が始まる。今回は発表ではなく、聞きに来ただけだが、自分の専門分野とは違う上に、当然ながら全部韓国語なので、内容はほとんど理解できない。
それでも、休憩時間には、知り合いの先生方と挨拶を交わす。これから1年以上も滞在するので、顔を覚えてもらう必要がある。今回は、それが目的だったといってもよい。
18:00 学会終了。その後、懇親会へとなだれ込む。学会の後に懇親会をやるのは、日本も同じだが、韓国の学会は、日本以上に懇親会を大事にする。だから、懇親会に出ずにおいそれと帰るわけにはいかない。時間ぎりぎりまでいなければならないのである。
ここでも、いろいろな人と挨拶する。少し韓国語で挨拶ができると、「韓国語ができる」と思われるようで、まくし立てるように話しかけられてしまう。しかし、こちらは、単語を並べるだけのたどたどしい応答で、実に申し訳なく思ってしまう。
いろいろな人が、私のところにやってきては、韓国語で話しかけてくれるのだが、なにしろこちらの答えがまるでちんぷんかんぷんなので、明らかに困惑した表情で、席を立ってしまう。私には、その人の頭の上に大きな「?」が見えるのである。
そういうときは、情けなくって死にたくなるね。
でもまあいい。お世話になっている大学の院生たちとも少しは仲良くできたし、韓国語を一生懸命喋っているという気持ちは伝わっているようだから、今日はそれだけでよしとしよう。
ぎりぎりまで懇親会場にいて、午後9:00のKTXでソウル駅を出発した。
アン助教とリュウさんと、再び苦労しながら会話。アン助教は、わたしの韓国語の未熟さに、ほとほと手を焼いているようだった。
午後10:40 東大邱駅到着。
KTXを降りて、ようやく解放される、と思ったら、同じKTXで帰ってきた私の指導教授と、先生らしき人が5人ばかり前にいらっしゃる。どうやら、指導教授は、同僚の先生方とたまたま同じKTXに乗り合わせていたらしい。
タクシーで寄宿舎に戻ろうとすると、指導教授の先生が、同僚とビールを飲みに行くので、あなたも一緒に行こう、とお誘いになる。私は「これも勉強」と思い、先生方について行く。
しかしここからが長かった。指導教授の先生と、その同僚の先生方は、どうやら大学の今後のあり方や、他の同僚についての人物評などを、延々と話している。言葉がまったくわからない上に、私がまったくわからない内輪の話をされて盛り上がっているのである。
結局、午前2時近くまで、その拷問のような時間が続いた。
帰りのタクシーの中で、「俺はあの場に何でいたんだろう?でも、あそこで『帰ります』と言うと指導教授の先生の顔をつぶすことになるかも知れないしな…」と、反省というか、反芻しては、自己嫌悪に陥る。結局何が正解だったのか。
そんなことを気にしないようにならないと、ここではやっていけないのかも知れない。でも日本でも苦手だった人づきあいを、ここ韓国で克服することなんてできるだろうか。たぶん無理だろうな。
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