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再会

12月18日(木)

語学の授業で、次第にいろいろなことが判明する。

この大学の語学堂には、現在500名程度の学生が受講している。そのうち、日本人は私を含めて2人だけだという。私の他のもう一人は、1年くらい語学堂で勉強していて、4級(最上級のクラス)まで進んでいるそうだ。そして、韓国人のナンジャチング(ボーイフレンド)がいる。やはり異性の力か。

というわけで、1級(初級)クラスで日本人は私一人。

昨日元気のなかった男前のリ・チン君。本当の理由はどうも、先週の土曜日にソウルにいる韓国人の彼女と大げんかをして、別れたことにあるらしい。

それとリ・チン君の兄弟は、姉が日本に留学して日本語を勉強し、兄がシンガポールに留学して英語を勉強しているらしい。

なんだ、金持ちのボンボンなんじゃないか。あまり心配するほどのことはなかった。

知り合いが言った。

「お金はあるけれど中国の大学に入れそうにないので、親が外国に留学させる、というパターンが多いのでしょう。学生にしても、親の目の届かないところで生活しているから、思いっきり羽根を伸ばせる。たぶん、そんなところでしょう」

なるほど、そういうこともあるのかも知れない。本当のところはよくわからない。

5時に授業が終わり、そのままKTXに乗って、ソウルへ。わが師匠を含めた共同研究ご一行と合流する。

早稲田で壮行会を開いてもらってから、まだ1カ月がたっていないという再会。

ソウル駅に到着すると、早速日本語が聞こえてくる。やはりソウルには日本人が多い。

ソウル駅から地下鉄に乗り換え、明洞(ミョンドン)駅で降りる。本日と明日に宿泊するホテルは、明洞のど真ん中のロイヤルホテル、という高級感あふれるホテル。そこでご一行と待ち合わせをする。l

明洞は、日本でいえば、東京の銀座とか、渋谷とか、たくさんの人がショッピングをする町。当然、日本人の観光客も多い。行き交う人からは、日本語が聞こえてくる。

夜8時頃、ホテルに到着。ご一行と合流し、チェックインを済ませ、夕食に向かう。焼き肉を、久しぶりに、たらふくいただく。そして久しぶりにお酒を飲む。日本にいるかのような錯覚を起こす。

「40歳になって、学生に戻れるなんて、うらやましいなあ」私のこちらでの生活の話を聞いた、師匠の感想。「教師なんて、教えるばっかりじゃダメだ。学ばないと」長年、第一線で突っ走ってきた師匠は、「学ぶ」機会がなかったことを、悔やんでおられるようだった。

明日は、1日調査である。一つ心配なのは、明日と明後日、語学の授業を休まなければならないことだ。「猟奇的な先生」からは、「ソウルにも教科書を持って行きなさい。宿題をしないと承知しませんよ」と釘を刺されている。その言葉が頭をよぎり、夜11時にホテルに戻ってから、宿題をはじめた。

(つづく)

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