遊園地とキョスニム
1月16日(金)、はじめての野外授業。
朝8:00、大学集合。
だが、これまでの経験からして、中国人留学生たちが時間通りに集合するとは思えない。
予想通り、8時までに来たのは、わが班では私、パンジャンニム、そして問題児のリ・ヤン君の3人だけだった。
リ・ヤン君は、ふだん授業に出てこないのに、こういう時だけ早起きする。
案の定、「猟奇的な先生」がキレる。
「リ・ヤン!授業に出ないのに何で野外授業には来るの?今すぐバスから降りなさい!」
結局は降りなかったが。
その後、何人かが遅れて来た。なんだかんだで8:40に出発。わが班で欠席したのは、お調子者のマ・クン君、ジャッキー・チェンにそっくりのトゥン・チネイ君、男前のリ・チン君の3人。
語学学校に通っている500人が、12台のバスに分乗する。そのほとんどが中国人留学生である。
9時半、トンファサ(桐華寺)に到着。
「猟奇的な先生」が500人の学生を整列させる(一段高いところに立っている右側の方)。
そして、見よ。この行列!
トウファサでは、ベテランの先生について行きながら、説明を聞く。
ベテランの先生は、優しい先生なので、学生にも人気がある。いたるところで、「一緒に写真を撮ってください!」と学生がやってくる。
見学途中、「猟奇的な先生」とすれ違う。
「お!キョスニム(教授様)、カルチョジュセヨ(この寺について教えてください)」
と「悪い顔」で話しかけてきた。「あんた、大学の歴史の先生なら、この寺の歴史を韓国語で私に説明してみなさいよ」というニュアンスである。
なんか、自分のバイト先のスーパーにやってきた母親が、自分に向かって「店員さん、今日は何がおすすめなの?」と聞いているような感じで、超ムカツク(たとえがわかりにくいか?)。
しどろもどろで、その場を退散。
トンファサの見学が終わり、昼食会場へ。といっても普通の食堂である。500人が無理矢理詰め込まれ、大混乱のうちに昼食が終了。
バスに乗ろうとすると、バンジャンニムがヨジャチング(ガールフレンド)を連れてやって来て、「一緒に写真を撮りましょう」と言う。3人で写真を撮る。
午後、ウバンランドに到着。
ここでひとつ問題があった。
実は明日の国際学会参加のため、ひとりウバンランドを早めに出て、夕方のKTXでソウルに行かなければならない。そのための背広とか、資料とか、本といった荷物も、一緒に持ってきていた。しかし、もうバスには戻らないので、バスに置いておくわけにはいかない。といって、これらの荷物を持ったまま、ウバンランドの中を移動するわけにもいかない。
語学堂をとりしきっているパク先生に相談すると、「ウバンランドの入口のところにある事務室に荷物を預けましょう」と、手配してくれる。
入口の横に、事務室があった。
「キョスニム(教授様)!荷物はこちらに預けます。キョスニム!」
パク先生が大きな声で「キョスニム」と連呼するものだから、こちらも恥ずかしくなる。
ウバンランドで「キョスニム」はないだろう。しかも私は教授ではないし。
中に入ると、完全な遊園地である。
つまらなそうにしている私を、ベテランの先生が気にかけてくださり、語学の先生のグループ(4人)にまぜてもらう。まあ、先生といっても、ベテランの先生以外は、私よりはるかに年下なんだけど。
その中には、「猟奇的な先生」は含まれていない。おそらく「派閥」が違うのだろう。女性ばかりの語学の先生の間には、きっといろいろな確執や対立があり、派閥が形成されているのではないだろうか?日ごろのくせで、つい組織の人間関係について思いをめぐらせてしまう。
つまらないと思いつつも、ウォータースライダーだの、バンパーカーだの、回る飛行機だの、といった、ゆるーい乗り物に乗って遊ぶ。意外と楽しい。
最後は、人工雪の坂をソリですべる。
そして出発の時間になった。ヘトヘトになりながら、「お先に失礼します」といって、出口を出て、事務室に荷物を取りに行った。
「キョスニム!荷物はこちらです」
だから遊園地で「キョスニム」というのはやめてくれよ!
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