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奨学金

2月26日(木)

そうか。今日は元同僚の命日か。友人の指摘ではじめて気づいた。あれから3年たつのか。

久しぶりに1日中家でゆっくりしたいと思ったが、そうはいかない。午後、重い腰を上げて大学に行き、来学期の語学の授業の班を確認する。

1週間ほど前、ベテランの先生からメールが来て、私が2級に上がれた、ということと、うちの班からは5人が2級に上がれたということを知った。

12人のうち3人が大学への入学が許可されたから除くとして、9人のうち4人が、また落第したことになる。

落第生の数を多いとみるか、少ないとみるか。

うちの班のあの惨状を思えば、思ったより少ないというべきだろう。

語学堂の1階のフロアーに、誰が何級の何班に所属するかが貼り出されていた。まるで合格発表をみるような心境だ。

私の今度の班は2級4班であった。

さて、わが1級1班では、誰が2級に上がれて、誰が落第したのだろう。

本人たちの名誉のために、ここには書かない。だが、私の予想に反して、意外な人物が2級に上がり、意外な人物が上がれていなかった。

どうしてそういうことになるのか、理解に苦しむ。

まあそれはよい。それよりも、私は3月第1週に日本に帰ってしまうので、新学期の最初の1週間は語学の授業に出られないことを、先生に伝えなければならない。

担任だった「猟奇的な先生」に電話をすればよいのかも知れないが、どうしても恐いので、1階の事務室におられるパク先生のところを訪ねる。パク先生は、語学堂の韓国語の授業全般をとりしきっておられる先生である。

相談すると、新しい担任の先生に話しておいていただけるという。そして先生は、きつい大邱訛りで、おっしゃった。

「キョスニム、奨学金がもらえるわよ。ご覧になった?」

奨学金とは、その学期で点数が優秀だった学生に贈られるものである。1等若干名に30万ウォン(約2万円)、2等若干名に20万ウォン(約1万3000円)、3等若干名に10万ウォン(約6600円)である。

私は見てません、と答えると、先ほど見た掲示の横に、「奨学金受賞生一覧」の名前があることを教えていただく。

見ると、私は20万ウォンもらえることになっていた。

1級は、1等の30万ウォンをもらえたのが6人。2等の20万ウォンをもらえたのが30人くらいいた。私の名前は、2等の筆頭にあがっていたから、都合のいい見方をすれば、2等でも限りなく1等に近かったのではないか、と勝手に想像する。本当はひそかに1等をねらっていたのだが、まあ、そんなに甘いものではなかった。

「これで日本に帰っておいしいものでも食べなさいよ」

パク先生はそうおっしゃるが、ウォン安のいま、これを円に換えたところで、さほどうれしい金額ではない。それに、実質的には、授業料のごく一部が返還されたにすぎないので、やはり嬉しさもいま一つ、といったところである。

まあそんなわがままを言ってる場合ではない。ありがたくいただくことにする。

その後、大学院生のウさんと一緒に、留学の際にお世話になったユン先生のところに行き、夕食をご一緒する。奨学金がもらえたことも報告した。

さて、来学期はどうなることだろう。さっそく最初の1週間を欠席。そのほか、タプサやら学会発表やらで、いまわかっているだけでも最低9日は休まないといけないことになった。10日以上休むと落第となるこの語学堂で、来学期を無事乗りきることはできるだろうか。

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