ソウルひとり歩き
2月22日(日)
早朝、妻を空港行きのバスターミナルで見送ったあと、KTXに乗ってソウルに向かう。明日の朝から、卒業旅行で学生を案内するためである。
早めに出発したのは、今までソウルを気ままに歩くことがなかったからである。留学した昨年12月以降、学会だの調査だので何度もソウルに来ているが、まったくといっていいほど自由な時間がなかった。
といっても、とくにどこに行きたい、というわけでもない。いつもの悪い癖で、とりあえず本屋に行く。
韓国の地下鉄は複雑で、難しい。今のところ8号線まであって、それらが入り組んで市内をめぐっている。ソウルに住んでいる人でも、地下鉄にすんなり乗るのは難しいようだ。駅の構内や地下鉄の中で路線図とにらめっこしている人を見るのはめずらしくない。
アジュモニ(おばさん)が私に、「光化門駅は何号線ですか?」と聞いてきた。
私もたまたま光化門駅まで行こうとしていたところだったので、「5号線ですよ」と答えた。
かく言う私も、乗り間違えてしまう。4号線に乗るべきところを、間違って1号線に乗ってしまったり。やっと4号線に乗ったと思ったら、反対方面に行ってしまったり。
さらに複雑なのは、今日はじめて気づいたことなのだが、韓国の地下鉄は基本的に右側通行であるにもかかわらず、1号線だけは、左側通行なのである。
1号線が左側通行であることに気づいたとき、「あれ?韓国なのになんで左側通行なのだろう。俺もとうとう幻覚を見るようになったか」と、本気で思ってしまった。それほど、右側通行に慣れてしまっていたのである。
自動車が右側通行なので、地下鉄も右側通行なのはわかるが、なぜ1号線だけは左側通行なのだろう。調べてみると、1号線は、旧国鉄の京釜線と乗り入れているため、それにあわせて左側通行なのだという。旧国鉄の鉄道はすべて左側通行だが、これは日本の植民地時代に、日本の左側通行にならって作られたためだといわれている。なるほど、こういうところにも植民地時代の歴史が暗い影を落としているのか。そういえば、KTXも左側通行である。
間違えることも、ひとり歩きならではの楽しさである。明日は乗り間違えないように頑張ろう。
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