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卒業旅行2日目・マッコリと史跡の日々

2月24日(火)

水原(スウォン)は、不思議な魅力の町である。

水原は、ソウルから鉄道で1時間ほどの郊外の町である。大都会の真下を息詰まるように走っていた地下鉄から、地上を走る旧国鉄に乗り換えると、そこはもう郊外の風景であった。少し雨がぱらついていたが、郊外に向かうというのは、やはり気持ちがよい。

水原は、世界遺産の華城(ファソン)があることで有名である。李氏朝鮮王朝22代国王の正祖は、父の墓を水原に移したことを機に、この水原に遷都することを計画する。莫大な費用と労力をつぎ込み、1796年に華城の城郭が完成するも、遷都の直前に正祖が病死したため、遷都計画そのものが中止になってしまった。そして韓国随一の城郭だけが残された。いわば「幻の都」である。

吉田満の名著『戦艦大和ノ最期』の中に、当時の乗組員たちの間で、「世界三大無用の長物」は「エジプトのピラミッド」「中国の万里の長城」そして「日本の戦艦大和」である、という話がささやかれていた、という一節があったが、華城もまた、「無用の長物」の代表といえるかもしれない。こうした「無用の長物」が、今となっては世界遺産なのだから、人間の営みとは、まことに滑稽である。

水原駅から路線バスに乗る。学生たちにとっては初体験である。韓国のバスに乗ることは、一種の格闘技である、ということを、学生たちも身にしみて感じたことであろう。

Photo_2 10分ほどで、華城の南門である八達門に到着する。この門が、全長5キロにわたる城郭めぐりの出発点でもある。

だが私たちは、まずそこから歩いて5分ほどの「華城行宮」に向かう。行宮とは、国王が行幸に来たときに泊まるための施設である。

ここにいの一番に来たのは、この施設が、韓国ドラマ「チャングムの誓い」のロケ地として使われたためである。思い入れのあるドラマのロケ地をめぐるのは、楽しい。

建物をまわりながらドラマに思いをはせていると、いつしか時間がお昼近くになっていた。ここで、出発点の八達門に戻ることをあきらめ、城郭の北門にあたる長安門まで、街中を縦断してショートカットすることにする。大幅なショートカットである。

長安門のすぐ東側の、華虹門の付近は、華城で最も景観のきれいなところといわれている。そしてそのすぐ近くに、「ヨンボカルビ」という、水原カルビの有名な店がある。

水原はまた、カルビがおいしいことでも有名な町である。華城をまわるのなら、ぜひ「ヨンボカルビ」に立ち寄りなさい、と友人が教えてくれた。

お昼になったので、見学もそこそこに、「ヨンボカルビ」に入る。いま韓国では、日本の漫画が原作の「花より男子」がドラマ化され、大人気となっているが、いまの私たちにとっては、「花より団子」ならぬ、「華城よりカルビ」である。

Photo_3 食いしん坊の友人が、食べきれないほどの量だったと教えてくれたとおり、食べきれないほどのカルビに加え、冷麺を注文し、何とかみんなで平らげる。そしてやや元気が回復し、城郭を歩くことにした。

私は、昨日までの胃腸の調子悪さはなんとか回復したものの、今度は腰が限界にきはじめていた。このところの旅つづきのせいかもしれない。

Photo_4 終点の八達門までの約2キロの道を、小1時間かけて歩きとおす。少し雨がぱらついたが、歩くにはすがすがしい気候だった。

水原が不思議な魅力の町だと言ったのは、駅からバスに乗って八達門前のバス停で降りると、にぎやかな街中に、忽然と八達門がそびえ立つ姿が現れるからである。

八達門の周りは、市場になっていて、道路には商品が所狭しと並べられている。そして多くの人たちが道路にひしめきあい、活気に溢れているのである。

過去の遺産と現在の喧騒が同居している風景はめずらしいことではないが、華城の場合は、なんとなく微笑ましいから不思議である。

さて、くたくたになった私たちは、鉄道でソウルに戻り、カンナムの蚕室(チャムシル)という繁華街に向かう。有名なロッテワールドがあるところである。

学生たちは、ここのロッテマートでお土産を調達する。昨日飲んだマッコリを日本にお土産に持って帰りたかったようだったが、マッコリを日本に持って帰るのはいろいろと難しく、結局断念せざるを得なかった。

そして、卒業旅行最後の夕食。

入った店のメニューをみると、「マッコリ」があったので、すかさず注文。日本に持って帰れないのなら、せめてもう一度味わいたい、という気持ちからである。

最初は1本だけのつもりが、もう1本追加する。やはり美味しい。しかし史跡歩きで極度に疲れたためか、酔いがまわるのも早い。

学生たちの千鳥足が不安だったので、最後はホテルまで送る。やはり過保護か?

明日(25日)の早朝、学生たちは日本に帰る。

マッコリとの別れは、名残惜しかった。

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