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「2級地獄」の恐怖

3月31日(火)

2回目となる今日の「クイズ」の出来は散々だった。

といって、誤解のないように書いておくが、昨日夜、釜山で同僚夫妻と食事をしたこととは、まったく関係がない。たとえ昨日、釜山に行かなかったとしても、結果は同じだったであろう。

昨日、同僚とその奥さんが船で釜山に到着。2泊3日の短いご旅行である。本来ならば案内しなければならないのだが、授業のためにそれができず、夕食だけをおつきあいすることにした。

アジアへの留学経験が豊富なご夫妻と話をすると、やはり面白い。あっという間に時間が過ぎた。ほとんどお役に立てなかったのが申し訳なかった。

そして今日の午前中に大邱に戻る。

どうもこのところ、語学の勉強にいきづまりを感じている。もちろん自分に原因があるのだが、情けないもので、どうしても他人のせいにしてしまう。

相変わらず私を鬱々とさせているのは、「勉強しろ勉強しろ」という、2人の先生のお言葉である。

「週末は一生懸命勉強しましたかー?」

「ちゃんと復習しないと、来学期また2級ですよー」

「今週末は中間考査がありますよー。みなさんは何をしなければいけませんかー?」

「一生懸命勉強することでーす」と、中国人留学生たちが答える。

とくに私の上にのしかかるのは、「一生懸命勉強しないと、来学期また2級をやることになりますよー」という言葉である。先学期も、「1級地獄」に怯えたものだが、今学期もまた、「勉強しないと2級地獄から出られませんよ」的なことを、授業の端々で先生に言われるのである。

どうも私には、勉強させるために、いたずらに不安をあおっているようにしか思えなくなってくるのである。極論すれば、「ミサイルが飛んでくるから、軍備を増強しましょう」という、どこかの国と同じ発想である。「教育」と言うよりも「洗脳」に近いのではないか、と、つい妙な言いがかりをつけたくなってしまう。

昔から、いたずらに不安をあおられて気持ちをせき立てられることが嫌いな私は、どうしてもこの先生の言葉に、違和感を感じてしまうのである。「頑張らないとまた2級ですよ」という脅しよりも、「頑張れば3級にいけますよ」と言われた方が、どれだけ気が楽だろう。

まあ、真に受けてこんなことを考えている時点で、先生の術中にはまっているわけだが。

「試験前には何をしますかー?」という先生の質問に「一生懸命勉強しまーす」と口を揃えて答えておきながら、その実、そこをうまくすり抜けていこうとする中国人留学生たちには、たくましさすら感じる。

ん?この調子では、オモシロがない、完全な愚痴になってしまいますな。悪いパターンに入りつつある。気分を変えよう。

道を教える、という会話練習。

ところがこれがなかなか難しい。配られたプリントに書かれた地図を見ながら、先生がおっしゃる場所まで行く道のりを、あてられた学生が口頭で説明するのだが、だんだんと混乱してくる。果ては、先生までもが混乱してきて、結局何が何だかわからなくなってきた。

次に、隣の席に座っている、愛嬌のある顔のリ・ポン君と、2人で会話練習。だがリ・ポン君は、次第に混乱してきて、もともとの赤ら顔をさらに紅潮させてくる。

「だいたい僕は、中国でも方向音痴なのに、そのうえ韓国語で説明することなんてできませんよ」

たしかにそうだ。方向音痴の人には、厳しい練習である。

最後に、大学から自分の家までの道のりを、各学生がホワイトボードを使いつつ、みんなに口頭で説明する、という練習をする。ここでも、場は混乱して、みんなが思い思いの説明の仕方をして終了。

やはり予定調和的な授業よりも、こういう、混乱のうちに終わるようなカオス的な授業の方が面白いな。適度に先生を困らせるのも悪くない。中国人留学生たちはたくましいのだ。

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