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ジャケットを探す旅

少しさかのぼって、先週の4月24日(金)のこと。

夕方、語学の授業が終わって、KTXでソウルに着いたのが、午後7時30分頃。

小雨が降っていて、ものすごく寒い。

ところが私は、長袖シャツ1枚を着ているだけで、上着を持ってこなかった。これでは凍え死んでしまう。

そこで、夕食後、妻と一緒に、東大門市場に行って、上に羽織るジャケットを買いに行くことにする。

翌日は学会なので、学会に着ていってもおかしくないような、それでいて、少しラフなジャケット、というのをイメージした。

東大門市場の中の、有名なビルに入り、ジャケットを探す。そのビルには、若者向けのおしゃれな衣料品関係の店がひしめいていて、日本人観光客もよく訪れる場所である。

男性衣料品売り場のある階に行き、店をひとつひとつ見て回ることにする。

すると、見たことのあるTシャツが…。

キダ・タロー氏そっくりの顔を書いたTシャツだ!

大柄の先生が着ているものと同じものである。

1軒だけではない。別の店にも、同じデザインのものがある。けっこう人気があるTシャツなんだな。

(これ、語学の授業に着ていったらウケるだろうなあ…)

と思いながら、買う勇気もなく、気をとりなおして自分のジャケットを探すことに専念する。

ところが、行く店行く店、私のサイズに合うジャケットが見つからない。

「お客様に合うサイズのものはございません」

と言われるか、あったとしても、ダッサダサのものしかない。

これはかなり凹む。これではまるで、「おめえに食わせるタンメンはねぇ!」(次長課長の河本)ならぬ、「お前に合う服はねぇ!」と言われているようである。さらには、「お前なんか、生きてる価値がないんだよ!」と言われているようにも聞こえてくる。衣料品のメッカである東大門市場で探してみて見つからない、ということは、世界中どこを探しても、サイズの合うジャケットがない、ということではないのか?

結局、そのビルに私のサイズに合うジャケットはなかった。

「まあ、渋谷の109でジャケットを探すようなものだから…」

と、妻が慰めにもならない言葉をかける。やっぱり痩せなきゃダメだな、と痛感する。

おしゃれなビルで買うのをあきらめ、そのビルの近くにある、「平和市場」という、アジョッシ(おじさん)やアジュンマ(おばさん)がやっている問屋街みたいなところに行く。ここでも見つからずあきらめかけるが、最後の最後に、ようやく1軒見つけ、サイズ、デザインとも気に入ったジャケットを買うことができた。アジョッシが5万ウォンと言ったのを、4万ウォンにまけてもらう。

平和市場が閉店する、午前0時直前のことであった。

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