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タクシーの運転手と客の会話

4月14日(火)

語学の授業は、相変わらずの壊れっぷりである。

「今日はタクシーの運転手と客の会話を練習します」と「粗忽者の先生」。

すでにこの時点でおかしい。客はともかく、韓国でタクシーの運転手になる確率はほぼゼロなのだから、実用的な練習は望むべくもない。それに、「タクシーの運転手と客の会話」なんて、コサキンのラジオを例に出すまでもなく、笑いのネタの宝庫ではないか。必然的に、中国人留学生たちは、この設定で「笑い」に走ることになる。

「では、チエさんと、ホ・ヤオロン君と、チャン・イチャウ君の3人にやってもらいます」

会話が始まる。

運転手(ホ)「どちらまで行かれますか」

客(チエ)「百貨店まで」

運転手(ホ)「今日は雪が降っているので、道が混んでいて、ちょっと時間がかかると思いますよ」

客(チエ)「困ったわねえ。3時までに行かなければならないのに。他の道から行くのはどうですか」

運転手「他の道も混んでると思いますよ。いつもの道が一番早いと思いますがね」

と、ここまで進んで、「ちょっと待って!」と先生。

「チャン・イチャウ!あなたは何をしているの?2人だけで会話しているじゃない」

「僕は通行人ですから」といって、両手を振って歩いているしぐさをする。

先生があきれる。

「じゃあ、次は、チャン・ハン君と、ホ・ジュエイ君」

チャン・ハン君は、いつものようにボーッとしている。

「チャン・ハン!起きてるの?さあ、会話しなさい!どっちが運転手?」

「僕です」と手をあげるチャン・ハン君。「じゃあ始めなさい」

チャン・ハン君は、めんどくさそうに会話の練習をはじめる。

運転手(チャン)「いらっしゃいませ。何をさしあげましょうか」

客(ホ)「コーヒーを1杯下さい」

「ちょっとちょっとちょっと」と先生。

「どこの世界に『いらっしゃいませ、何をさしあげましょうか』という運転手さんがいますか!それは前に『食堂の会話』で練習した表現でしょう。『どちらまで行かれますか』でしょう。ホ・ジュエイ!あなたも『コーヒーを1杯下さい』なんて話を合わせてどうするの!もう一度最初からやり直しなさい」

運転手(チャン)「いらっしゃいませ。何をさしあげましょうか」

客(ホ)「コーヒーを…」

先生「だから~!」

ふたたび先生があきれて、この練習は終わり。

「粗忽者の先生」のツッコミが冴えているから、彼らも安心してボケられるのではないか、とすら思えてしまう。いつもながら観客として楽しませてもらっている私である。

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