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中間考査(2級)

4月4日(土)

今学期の中間考査も、以前と同じ時間割である。

9:00~10:00  文法

10:10~11:00 読解

11:10~12:20 作文

12:30~13:10 リスニング

14:00~     会話表現

やはりカンニング対策のため、隣の列に別の級の人が座る、という対策がとられる。この点も前回と同様である。

試験が始まる直前、「猟奇的な先生」が教室に入ってきて、カンニングしないように睨みをきかせる。まるで、「駄菓子屋に来る子どもは、みんな万引きするに決まっている」という疑いの目で、駄菓子屋に来た子どもを見つめる、駄菓子屋のおばちゃんのようだ(たとえがわかりにくい)。

そしてとくに何も言わず退室される。

しかし、これほどまでにカンニングに対して神経質になるのは、理由のないことではない。

2週間ほど前のことである。

毎日、授業をはじめる前に、「パダスギ」という書き取り試験が行われる。これは、先生が例文を10問読み上げて、それを学生がハングルで書き取る、というものである。

前半の「粗忽者の先生」が、授業をはじめる前に、ビデオカメラをまわしはじめた。「みなさんを録るんじゃないんですよ。先生を録るだけですから」どうも自分の指導法の確認のために、ビデオをまわしたようであった。

ところが、「粗忽者の先生」が、あとでそのビデオを見直して、衝撃的な事実を発見する。パダスギをやっている最中、マ・ロン君が、隣の人の解答をカンニングしているところが、ばっちりとビデオに収められていたのである。

「粗忽者の先生」は、パダスギの例文を読み上げるのに集中していたため、その時は気づかなかったらしい。ビデオを見て、はじめて気がついたのであった。

さらに、ほんの数日前のこと。

ビデオを見てからというもの、「粗忽者の先生」は、カンニングに対する監視の目を厳しくした。パダスギの例文を読み上げながら、教室内をまわり、カンニングしていないかどうかを周到に確かめるようになったのである。

そこでまた、衝撃的事実を発見する。

今度は、白縁眼鏡のル・タオ君が、パダスギに出てくる可能性のある例文を、あらかじめ机の上に書いていたのである。いわゆるカンニングペーパーというやつである。

とにかく、きゃつらはあの手この手を使ってカンニングする。それに対して先生もより周到な対策をとるようになる。まさに、イタチごっこなのである。

9時から始まった試験は、文法、読解、作文、リスニング、と、ほぼ休みなく4時間にわたって続けられる。

相変わらず、サディスティックな試験である。とくに読解は、まともに読んでいたらとても時間内に解けないであろう分量だった。私の読解のスピードが遅かったせいか。

幸い、授業で取り上げられた文章がほとんどだったので、後半は、授業での記憶を頼りに設問に解答する。いちおうこちらも、出題のプロなので、設問を読めば、どれを正解にしたいかは何となくわかる。

ヘトヘトになり、午前の部が終了。午後は、会話表現の試験である。

会話表現の試験は、先生と学生が1対1の面接形式で、10分ほど行われる。3時50分に教室に入る。

試験担当の先生は、ふだん授業を受けている先生とは別の先生である。これも、公正を期すために、という配慮であろうか。とにかくそのあたりが徹底しているのである。

担当の先生は、たしかに授業を受けたことのない先生だったが、語学堂ではアイドル的な存在として有名な先生であった(名前は知らない)。

それがまた私に緊張をもたらす。

「では、はじめに私が質問をしますから、手元にある文型を使って、質問に答えてください」

試験が始まる。

先生「トニー氏はとても歌が上手ですよね」

手元の紙をみると、「チョロム(~のように)」という表現を使え、とある。

私「ええ、『ピ』のように歌が上手ですね」

「ピ」とは、韓国で売れている男性歌手の名前である。

そこでなぜか先生が爆笑した。

「あ、『ピ』って、歌手の『ピ』のことですね」

そこではじめて気づく。そうか、「歌手のように歌が上手ですね」と言えばよかったのだ。わざわざ「『ピ』のように」、なんて具体的に歌手の名前まで挙げる必要はなかったのだ。

先生は、私の口から、まさか韓国のアイドル歌手である「ピ」の名前が出てくるとは思っておらず、それで爆笑したのであろう。

それからというもの、ことあるごとに、私の解答に対してクスクスと笑っておられた。

被害妄想の強い私は、私の解答が頓珍漢なので笑っておられるようにも思え、緊張が解けぬまま、10分の試験時間が経過した。

午後4時、ようやく試験が終了。久しぶりの開放感から、市内へ出て、本屋をハシゴして本を大人買いする。

相変わらず、ワンパターンのご褒美である。

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