菜の花畑と古墳群
4月18日(土)
野外授業で疲れたのか、起きたのは午後。外に出ると初夏のように暑い。とりあえず散髪に行くことにする。
韓国で2回目の散髪である。「短くしてください」とだけ言って、無事終了。8000ウォン也。1000ウォン値上がりしたのか?それとも休日料金か?
市内に出て、前に行った古本屋に行く。これも2回目。アジュンマが私のことを覚えていてくれていた。数冊買い込む。
4月19日(日)
昨日に引き続き初夏のような陽気である。こんな日に部屋にいて勉強したり原稿を書いたりするのはもったいない。午前中に洗濯と簡単な掃除を済ませて、午後、思い立って慶州に行くことにした。
一昨日の金曜日も、野外授業で慶州に行ったばかりだったが、今日の目的は、慶州博物館で行われている特別展「統一新羅の彫刻」を見に行くことである。ソウルの博物館で見逃し、慶州の博物館の巡回展も5月初めまでということで、一度見ておきたいと思ったのである。
考えてみれば、慶州に一人で行くのは初めてである。これまでは、誰かに連れて行ってもらったり、誰かと一緒に行ったりしていた。はじめて、大邱から慶州行きのバスに乗る。所要時間は約50分で3900ウォン也。意外と安いことに驚く。
いま通っている大学には、慶州からバス通学している学生も結構いると、以前こちらの学生の方から聞いたことがある。「大邱で部屋を借りるのとそれほど変わらないんです。それに、帰りの時間がある、といえば、飲み会も最後まで出る必要はありませんしね。だからかえって安上がりなんです」と。なるほど、そういえば、うちの大学にも、隣の県からバスで1時間かけて通学している学生が結構いたな。
慶州は家族連れや観光客でごった返していた。休日でこの陽気だから当然といえば当然である。
特別展はどちらかといえばひっそりとしていたが、それでも、ツアーか何かで来た客が結構いた。展示を見ていると、後ろの方でツアーガイドか解説員といった方が、家族連れのツアー客にものすごい早口で展示解説をしている。私も、勉強のために聞き耳を立てた。なんとなく聞き取れたのが少し嬉しかった。
だが、その方は「時間がないので」といって、展示室内を早足で移動して、かなり間引いて作品解説をする。こちらもついていくのが必死だった。そしてものすごいスピードで、その人たちは展示室を出ていった。
何をそんなに急いでいるんだろう。あっけにとられた私は、もう一度展示室を最初から見直すことにした。
博物館を出て、周辺を歩くことにする。すると、ほどなくして眼前に菜の花畑が広がる。たくさんのカップルや、友達グループ、家族が、菜の花畑の中を思い思いに歩き、写真を撮っていた。
私も菜の花畑の中を歩いていると、菜の花ごしに古墳群がみえる。こんな風景はこの時期だけだろう。やはり来てよかった。
でも、一人で来るべきではないな、と、まわりを見わたして落ち込む。
結局、1時間ほど歩いて、高速バスターミナルまで戻った。以前、大学院生の方に「慶州に行ったら、チャルボリパンという銘菓をぜひ食べてみてください」と言われたことを思いだし、バスターミナルの近くで買う。形は完全などら焼きだが、食べてみると、それほど甘くなく、食感ももっちりとしていて美味しい。慶州の銘菓、侮り難し、である。
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