韓国語で詩を作ろう
4月30日(木)
やはり若いというのは恐ろしい。
「交際宣言」から一夜明けた今日、キザなタン・シャオエイ君とまじめ美人のル・ルさんが、一緒に教室に入ってくる。並んで席に座り、ル・ルさんが、タン・シャオエイ君にお菓子を食べさせてあげたり、タン・シャオエイ君の髪の毛をいじったりと、もはや完璧な恋人どうしである。
しかも、最初にアタックをかけたのがタン・シャオエイ君であったのにも関わらず、いまは、ル・ルさんが、タン・シャオエイ君の完全な虜である。
2人の真っ正面に座っている私は、目のやり場に困り、下を向いたり、教科書を目の高さに持って見ないようにする。
なんとなく、調子が狂って、今日のパダスギ(書き取り試験)は9点だった。
ル・ルさんはここ最近、10点を連発。恋をして、ノリに乗っている、という感じである。
韓国の大学で感じるのは、男女仲がきわめてよいということである。大学の構内でも、カップルが手をつないで歩いているのはあたりまえであるし、大学生の交際率(こんな言葉があるのかわからないが)は、きわめて高い、といえるだろう。
同じことは、中国人留学生たちにもいえる。留学生同士がつきあっている場合がきわめて多く、しかもそれをかなりおおっぴらに公表している。
以前、うちの学部の広報誌に、韓国人留学生が「日本の大学生は男女の間に距離があることを知って意外に感じた。韓国より性が開放的だと思っていたが、意外に保守的なところがあると思った」といったようなことを書いていたが、私も全く同じ感想である。
そんな「恋愛文化論」は、性に合わないのでこれくらいにして、今日の授業の話である。
リスニングの授業で、「詩」を学ぶ。
リスニングがひととおり終わり、時間が少し余る。
「みなさーん。今日は詩を作ってもらいますよ。詩ですよ。詩、詩」と「粗忽者の先生」。
「粗忽者の先生」が言うと、最近は大喜利のお題のように聞こえてくる。先生は、私たちの珍奇な詩を聞いて楽しむ気満々である。
おとなしいホ・ヤオロン君は、「猟奇的な先生」に片思いしている。詩の中で、その思いを、切々と綴った。
「いい詩ですね。その詩をキム先生に渡しますから、その紙をこっちにちょうだい」と先生。
ホ・ヤオロン君はかたくなに拒否した。
愛嬌のある赤ら顔のリ・ポン君は、相変わらず訳の分からない詩を作っている。どこが面白いのかよくわからないが、リ・ポン君が笑いのツボである「粗忽者の先生」は、その詩を聞いて、ひとり爆笑する。
つづいて私。
詩のタイトルは「海の恐怖」。
「夏になると、たくさんの人びとが海に集まって、楽しげに泳いでいる。
しかし、海の中には、恐ろしい魚がたくさん住んでいるのだ」
「……」
自分でもなんでこんな詩を書いたのかわからない。語彙の貧困さがなせる業である。
パンジャンニムの詩。
「世界地図を見てみよう」
先生と学生が、いっせいに壁に貼ってある世界地図に目をやる。
「中国は、チキン(鶏)の形をしている。
チキンが食べたくなった」
たしかに、地図を見ると中国は鶏の形をしている。まるまると太ったパンジャンニムの、「チキン好き」というキャラクターを存分に活かした詩である。
つづいて白縁眼鏡の好青年、ル・タオ君の詩。
「安い!辛い!旨い!安東チムタク!」
「それは詩ではないでしょう。広告よ、広告」と先生。
「安東チムタク」とは、安東地方で名物の、辛い鶏料理のこと。案の定、詩と言いつつ、単に面白いフレーズを言うだけになってしまっている。
珍奇なフレーズをひととおり聞き終えた「粗忽者の先生」は、満足そうな顔で、「はい、休み時間ですよー」と、授業を終えた。
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