ジギジギさん
以前、名古屋に調査兼研究会に行ったときのことです。
大須観音というところで資料調査をした後、夜の懇親会まで時間があったので、調査で一緒だった地元の大学の先生に「大須演芸場をいっぺん見てみたいですねえ」と軽い気持ちで雑談をしていたら、
「そうですか。私は大須演芸場の席亭と親しいので、ご案内します」
と言われ、あれよあれよと連れて行かれました。
大須演芸場に着くと、演芸場の受付にいた、夫婦漫才みたいな雰囲気のおじさんとおばさんが出てきました。
「やってる?」と地元の大学の先生。
「ごめん、今日はもう終わったんだ。(私に向かって)そちらの方、わざわざ遠くから来てくれたのにゴメンね。なんだったらここ(入口)で演芸してもらうように芸人さんに頼んでみようか?」
「いえいえ…けっ、結構です」と私。
「残念だったねえ。今日は特別ゲストでジギジギさんが来てたんですよ。せっかくジギジギさんが来てくれてたのに、残念だなあ」
ジギジギさんって誰?と思いながら、「残念でした」と私。
「午前中に来てもらえたら、ジギジギさんを見られたのに、残念だなあ」「ほんとよねえ」
だからジギジギさんって誰?
「まあ、またそのうちジギジギさんが来てくれることもあるから、その時にまた来てよ」
と言って、その日のプログラムを渡されました。
プログラムには「めおと楽団ジギジギ」の他に、「腹話術 杉のぼる」「落語 雷門小福」「コント 伊東かおる 波たかし」「パフォーマンス 大須くるみ」「似顔絵漫談 あおいくん」そして「なごやのばたやん」といった、聞いたことのない名前がならんでいました。
…私が以前に書いてみた文章。どうということのない内容だが、なんとなく思い出し、この日記の作風のルーツになっている気がしたので、載せてみた。
(追記)
こぶきさんのコメントに触発されて、「めおと楽団ジギジギ」の芸を拝見。すごくよく練られていて、安心してみられるまさにプロの芸なのね。そうなると、知らなかったこっちの方が悪いね。ちなみに上の記事は、2008年5月末ころの体験です。
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コメント
「めおと楽団ジギジギ」はユーチューブにありました。ピアニカデコ弾きは直々に見せてもらった方がよかったかも。
この旦那さんが「ダディ竹千代&東京おとぼけcats」のギタリストだったようで、「なかよし音頭」も観て伝説のチョッパ奏法に感激いたしました。
あと関係ないですど、最近某先生が狂言「唐相撲」のDVDを購入しまして、私もすっかり虜になってしまいました。吉本新喜劇もドリフもコントの原点はここにあり、という感じです。
投稿: こぶき | 2009年5月24日 (日) 13時16分