お元気ですかー?
5月14日(木)
毎週木曜日は研究会の日。
夕方6時、いつも研究会の場所まで車に乗せていってもらっている先生の研究室に行く。
するとその先生はすでに建物の玄関で待っておられて、ニコニコしながら私に話しかける。
「オゲンキデスカ?」
日本語がまったくわからないはずの先生が、日本語を話したことにびっくりしていると、
「最近、日本語の勉強をはじめたんです」
とおっしゃる。
覚えたばかりと思われる日本語を、いくつかお話になる。
「わあ、日本語がとてもお上手ですね」と私。
外国人が少しでも韓国語が話せることがわかると、韓国の人は必ず「韓国語がとてもお上手ですね」と言ってくださる。私もそれに倣って、「日本語がとてもお上手ですね」と韓国語でお返しした。
「仕事柄、日本語の文章は読めるんですけれど、会話の練習もしようと思って」と先生。
これも、私がこの大学に来たことの影響だろうか。だとしたら嬉しい。
さて、この「お元気ですか?」。おそらく、韓国人が最初に覚える日本語ではないだろうか。
この言葉は、岩井俊二監督の映画「Love Letter」の中で、中山美穂が言ったセリフである。中山美穂が「お元気ですかー?」と叫ぶシーンは有名である。
この「Love Letter」は、韓国で大ヒットした。初めて見た日本映画が「Love Letter」である、という韓国人も、多いのではないだろうか。
私は何人もの韓国人から、この「Love Letter」を見た、という話を聞いた。
そればかりではない。韓国で放送しているラジオの「日本語講座」を聞いて驚いた。
番組の「どあたま」で、実際に映画の中で使われた、中山美穂の「お元気ですかー?」のセリフが流れた後、テーマ曲が流れ、日本語講座が始まる。
つまり、日本語を勉強しようと思ってラジオの日本語講座を聞くと、毎回、番組の最初で中山美穂の「お元気ですかー?」の声を聞くことになるのである。
「お元気ですかー?」は、韓国人にとって、最もなじみの深い日本語というわけである。
だから、韓国人から「お元気ですかー?」と話しかけられても、決してアントニオ猪木や井上陽水の影響であると考えてはいけない。
あくまでも、中山美穂の「お元気ですかー?」なのである。
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コメント
はじめまして。
あの映画は、本当に韓国で大ヒットして、リメイク版が作られたほどです。上映された当時、と言うかその後しばらくは、韓国の人が日本人を見ると、ほぼ確実に「オゲンキデスカ?」と話しかけるようになってしまうほど。僕も何度、言われたことか(笑
しかも女子高生からは、日本人だと言うだけで、見てくれのパッとしない僕でもスターにでも有ったかのように、興奮されて、焦ることもしばしばでしたね。
投稿: 木戸 | 2012年10月30日 (火) 06時45分