3級6班、始動!
6月1日(月)
いよいよ韓国語3級の授業が始まる。緊張と不安がつのる。
語学堂の建物に入るなり、2級4班の人々と再会する。
タン・シャオエイ君とル・ルさんは、あいかわらずカップルTシャツで、手をつないで登場。
「2人は同じ班なの?」と聞くと、「違う班なんです」と、残念そうに答えた。
頼りになるパンジャンニムことス・オンイ君、愛嬌のある赤ら顔のリ・ポン君、シュールな会話で先生を翻弄させていた、雨上がり決死隊の蛍原にそっくりのホ・ジュエイ君とも再会。みんな元気そうだ。
「孫悟空」ことチャン・イチャウ君と、孤高の美青年、ヤン・シニャン君、いつも寝てばかりいたリ・ミン君は、2級に残留。
「1年6カ月も韓国にいるのに、まだ2級なんです」と、チャン・イチャウ君は頭を掻いた。
私は幸運なことに、白縁眼鏡の好青年、ル・タオ君と同じ班になった。これは心強い。
初回の授業は、いつもドキドキである。わが班のチングたちは、こんどはどんな人たちなんだろう。韓国語を教えてくれる2人の先生は、どんな先生なんだろう。うまくやっていけるだろうか。
それは、先生や、他の留学生たちにとっても同じだろう。だから、最初はどことなくぎこちない。
その雰囲気が少し変わったのが、3時間目のマラギ(会話表現)の授業の後の、休み時間である。
なぜか、周りにいた中国人留学生たちが、私に次々と質問を浴びせてきたのである。
「どうして韓国語を学ぼうと思ったのですか?」「韓国にいつ来たのですか?」「お歳はいくつですか?」など。
「会社には勤めていないんですか?」とある学生が聞くと、その横にいた女子学生が、
「この人はキョスニム(教授)なのよ。友達から聞いて知ってるんだから」
と代わりに答える。中国人留学生たちのネットワークは侮れない。
そしてその女子学生は、
「日本の歴史の教科書に書いてあることは、事実なのですか?」
と、唐突に質問してきた。不意の質問で、答えにつまると、
「ただ聞いてみただけです」と笑って言った。どうもからかわれているらしい。
「韓国の生活は大変ですか?白髪が多いようですけど」
と別の学生が質問する。
「そう、韓国に来てから、白髪になったんだ。それまでは髪は黒かったんだけどね」
と答えると、
「ウソはダメですよ」
と、また別の学生が返して、周りが大笑いする。
この盛り上がりに気づいたマラギ(会話表現)の先生が、会話に参加する。
「ご家族はどうしているんですか」と先生が私に質問する。
「実は、今学期から、妻もこの語学堂で勉強をはじめたんです」
「何級ですか?」
「…4級です」
「日本でどうやって勉強したのかしら」
「ラジオ講座を聴いたり、韓国ドラマを見たりして、1人で勉強したんです」
先生は驚いた様子である。
すると、少し離れたところにいた白縁眼鏡の好青年、ル・タオ君が、この一連の会話を聞き逃さなかったようで、抜群のタイミングで私に質問する。
「奥さんが4級で、気分はいいですか?」
「いいわけないだろ!」
ここでまたみんなが爆笑。あっという間に休み時間が終わった。
後半のマラギ(会話表現)の先生にとっても、ホッとしたのだろう。
「みなさーん、韓国語でよく会話してくれていますね。この仲間なら、今学期の間、楽しい授業になりそうですね」
先生は授業の最後に、そうおっしゃった。
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