爆音の空
昨日(6月23日)は、沖縄「慰霊の日」だった。
1945年6月23日。沖縄における地上戦が「終結」したとされる日である。
2年ほど前、はじめて沖縄を旅行した。
沖縄入りしたその日の夕方、浦添グスクを見学していると、眼下に浦添の市街地がひろがり、遠くに宜野湾市の普天間飛行場が見えた。
しばらく眺めていると、1機の飛行機が滑走路から飛び立ち、まさに私のいる方に向かってくる。爆音をあげて、ちょうど私の目の高さに飛行機が突っ込んでくるような錯覚にとらわれた。
襲われる恐怖を覚えて、とっさに身構えると、飛行機はあざ笑うかのように私の頭上をすり抜けていった。
(沖縄の人たちは、毎日この恐怖と戦っているのか…)
「基地のある島」を実感した瞬間だった。
私は、沖縄について何も知らなかった(知ろうとしなかった)ことを恥じた。
私はこの映画を、劇場で3回見た。
ラストシーンの、証言者の言葉が、とりわけ印象的である。
この映画は、テレビ放送やDVD化の予定がないという。
今日も日本のどこかで、上映されていることだろう。
岡本喜八監督の映画「激動の昭和史・沖縄決戦」もDVDで見た。
戦争映画の傑作というには、あまりにも痛ましく、悲しい名作である。
岡本監督が、この映画の撮影でかなり憔悴した、というのもうなずける。
いま、私が住んでいる大邱も、基地の町である。
時折、大学の上空を戦闘機の爆音が鳴り響く。
そのたびに、少し身構えてしまう。
そしてそのたびに、あの沖縄の空を思い出す。
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