東アジアの片隅で、辛ラーメンをすする
語学教室は、東アジアの縮図である。
わが班の学生のほとんどが中国人、日本人は私1人、それに韓国人の先生。
そのまま、各国の人口比率をあらわしているようでもある。
「実は、日本語を勉強したいんです」と、ある時、中国人留学生は言った。
韓国語を媒介にして、中国人留学生に、日本語を教える。
ひらがなやカタカナの音をハングルに置き換えたり、言葉の意味を漢字に置き換えたり。
考えてみれば、奇妙な光景だ。
だが、東アジアの人間同士だからこそできることであるともいえる。
その、中国人留学生たちが、辛ラーメンをすする。
不思議なものだ。中国で生まれたラーメンが、日本でインスタントラーメンとして生まれ変わり、それが韓国に渡って、辛ラーメンとなる。
韓国で「ラーメン」と言えば、インスタントラーメンのことを指す。
食堂でラーメンを注文すると、インスタントラーメンが出てくる。
中国人留学生たちは、それを、美味しいと言いながら食べるのである。
これも、奇妙な光景である。
だが、これこそが、東アジア的世界ではないか?
そう。ラーメンの歩んだ道こそは、東アジア世界の本質を解く鍵である。
私は、辛ラーメンをすするたびに、東アジアに思いをいたすのである。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- エアコン交換(2024.09.15)
- だれが見てるかわからない(2024.09.11)
- 都内会合で疲労(2024.08.25)
- 気が抜ける(2024.08.22)
コメント