騒がしい金曜日
7月10日(金)
わが班(3級6班)は、明日の土曜日の夕方、先生も交えての親睦会を行うことになった。
みんなで一緒に食事をして、そのあとノレバン(カラオケ)に行く、という会。
そのせいか、今日はなぜかみんなのテンションが高い。授業中も私語が多いので、先生も「なんで今日はこんなにうるさいの!」と、何度も注意する。
みんな、かなり楽しみにしているのだろう。
さて、今日は、韓国語で「なぞなぞ」を学ぶ。
「食べたくなくても、誰もが食べなければならないものはな~に?」
答えは「年齢」。
なるほど。韓国語でも、「年齢(とし)をくう」という言い方をするんだな。
「太れば太るほど、軽くなるものはな~に?」
答えは風船。
なぞなぞには、「言葉遊び(ダジャレ)系」と、「とんち系(?)」がある。
日本でいえば、
「パンはパンでも、食べられないパンはな~に?」が、ダジャレ系だし、
「上は大水、下は大火事、な~に?」が、とんち系である。
後半のマラギの授業では、先生がなぞなぞを用意して、くじ引きのように、1枚ずつ引かせる。学生は、自分が引いた紙に書かれたなぞなぞを読み上げて、ほかの学生たちが、そのなぞなぞに答える。
幼稚園か、小学校低学年の時にやった記憶があるような。
ところが先生が次のように言った。
「この中に、1枚だけ、『この紙を引いた人はこの場で歌を歌いなさい』と書かれた紙がありますよー」
この言葉を聞いて、学生たちは俄然盛り上がる。もはやなぞなぞとは何の関係もない。
なぞなぞよりも、誰がその紙を引くか、に関心が集中する。
私もドキドキしはじめる。冗談じゃあない。以前も歌わされたことがあったが、教室でアカペラなんて、二度と歌いたくないぞ。
幸い、私が引いたのは、「赤いポケットに黄金のお金が入っているものはな~に?」というなぞなぞで、答えは「とうがらし」。なんだかよくわからない。
私の次に引いたパンジャンニム(班長殿)ことクォ・チエンさんが、みごと「歌を歌いなさい」と書いた紙を引き当てた。
みんなの前で歌おうとするが、緊張のあまり、なかなか歌えない。
「先生、明日のモイム(親睦会)のノレバンで歌う、てことでいいですか?」
だが先生は容赦しない。
「ダメよ。いま歌いなさい。…それがイヤなら、そう、明日、踊りながら歌いなさい!」
結局、明日踊りながら歌うことで決着した。
なぞなぞくじ引きはまだ続く。ひととおりみんながくじを引いたあと、くじが数枚残ったのである。
「残ったくじを、じゃんけんで誰が引くかを決めましょう」と先生。
「先生、くじの中に、もう一度『歌を歌いなさい』」と書いた紙をまぜてください!」
とパンジャンニムが提案する。
「いいわよ」と、先生も「悪い顔」で、「歌」のくじをそこにまぜた。
こうなるともう、なぞなぞなんて関係ない。とにかく「歌」と書かれたくじを引かないことだけに神経を集中する。
幸い私はじゃんけんに勝った。
じゃんけんに負けた人たちが、ひとりひとりくじを引く。
結局、わが班のお笑い担当のチ・ヂャオ君が、最後の最後にみごと「歌」のくじを引き当てた。
「じゃあ、チ・ヂャオ君も、明日までに踊りを練習しておきなさいよー」と、先生は容赦しない。
「先生、最後になぞなぞです!」と、うちひしがれたチ・ヂャオ君が最後の力を振り絞って先生に反撃する。
「自分がやりたくないもので、他の人が喜ぶものはな~に?」
「何ですか?」と先生。
「答えは、『ノレ(歌)』です」
「それはなぞなぞとは言わないのよ。チ・ヂャオの気持ちでしょう!」
大騒ぎのうちに、本日の授業が終了した。
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