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脳内アテレコ

7月30日(木)

不思議なもので、長い間中国人留学生たちと一緒にいると、中国語がまったくわからないにもかかわらず、彼らの話す内容がなんとなくわかるような感じがしてくる。

今週の月曜日に席替えをした。毎日、授業の最初に行われるパダスギ(書き取り試験)の際に、隣の席で私の答案を、どうやらカンニングしていたと思われる学生と、離ればなれになった。

そして今日の休み時間、パダスギの答案が、先生によって点数をつけて返されたとき、その学生はひどくガッカリした様子で答案を受け取った。どうやら、点数があまりよくなかったらしい。

その学生を囲んで、みんなが中国語でなにやら会話している。そしてその学生が、少し決まり悪そうな顔をした。

さらに、そのやりとりのなかで、「キョスニム」という言葉が聞こえた。

そこから私は、次のような会話を想像する。

「今回のパダスギはダメだったわ」と、その学生。

「隣にキョスニムがいなかっただろ」と、ほかの学生がチャチャを入れる。

そしてその学生が決まり悪そうにペロリと舌を出す。

だいたいこんなところではないか。

最近は、こうやって、彼らの会話を想像して楽しむ。

だから、休み時間も決して退屈ではないのである。

先生はしばしば、「中国語で話すと、キョスニムがわからないでしょう」と、学生たちに注意する。私が退屈に違いないと考えてのことだろうが、私は、全然そんなことはないのだ。

私は私なりの楽しみ方で、彼らの会話に参加しているつもりなのだ。

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