答えは風に吹かれている
韓国での生活を始めたばかりの頃、わからないことばかりだった。
最初のころ、いろいろとわからないことを率直にこの日記に書いていたら、この日記を読んでいただいていたある方から、「答えは風に吹かれていますな」というコメントのメールをいただいたことがあった。
なるほど、いい言葉だな、と思って心にとめていた。
先日、慶州のホテルで久々に日本のテレビ放送を見た。自宅では、日本のテレビ放送が見られないので、実に久しぶりである。
すると夜中に、井上陽水の特集番組をやっていたので、翌朝早く起床して登山をしなければならないのにもかかわらず、つい見てしまった。
番組の中で、井上陽水が影響を受けた人物のひとりにボブディランがいて、ボブディランの歌詞が、井上陽水の作詞に大きな影響を与えた、と紹介していた。
そこで出てきたのが、ボブディランの「風に吹かれて」という曲であった。
ぼんやりと見ていて、はたと気づく。
この曲に何度も出てくる「The answer is blowin' in the wind」こそが、「答えは風に吹かれている」ではないか。そうか。この言葉は、ボブディランの名曲の一節だったのだな。
メールをいただいて半年以上経って、ようやく気づく。
「今ごろそんなことに気づいたのか?バッカじゃないの?そんなのあたりまえだよ」と言われてしまうかも知れない。しかし全くといっていいほど洋楽の知識が欠如している私は、こんな基本的な常識すら気づかなかったのである。なんたる無知!
なぜこんな無知ぶりをさらけ出したかというと、この日記のタイトル(「風の便りの吹きだまり」)は、井上陽水の「いっそセレナーデ」という歌の中の、「風の便りの 途絶えたわけを 誰に聞こうか それとも泣こうか」という歌詞を聞いているときに、なんとなく思いついたものだからである。
この日記のタイトルのきっかけとなった井上陽水の歌詞。そしてその井上陽水の作詞に影響を与えたというボブディランの歌詞。さらにそのボブディランの歌詞の一節を教えていただいたメール。
「風」をめぐる不思議な因縁、といえば大げさか。
ともあれ、この年齢になって、ひとつの名曲にめぐり会えたことに感謝。
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