思い出づくりの受験
9月13日(日)
TOPIK(韓国語能力試験)の日である。
せっかく韓国語を学んできたのだから、自分の実力を試してみよう、という軽い気持ちで受けることにしたのがそもそものはじまり。
ところが7月から約1カ月間、週3回、TOPIK対策用の2時間の特講をうっかり受講してしまい、えらい目にあった。もちろん、勉強にはなったのだが、毎日がクタクタになったのである。
で、8月のパンハク(休暇)では、いろいろと予定がつまっていて飛び回っていたため、TOPIKのことなど、すっかり忘れてしまっていた。
9月にはいると、新学期の勉強で、TOPIKどころではない。
おまけに、昨日は呑気に映画なんぞ見に行ってしまった。
7月にあれほど熱心に学んだことは、水泡に帰してしまったのである。
さて、当日を迎えた。
市内から路線バスで1時間かかって、試験会場となっている郊外の大学に行く。
ちょっとした小旅行である。
韓国の路線バスは、どんなに遠くても、初乗り料金で行くことができるので、その点はありがたい。バスで1時間かかるところも、90円ていどで済むのである。
試験会場に行くと、すでに多くの外国人が集まっていた。ま、私もその外国人の1人なのだが。
語学堂で一緒に勉強したチングたちもたくさん来ているようだ。
建物に入ろうとすると、マスクをした係員の方が、受験者ひとりひとりの手に消毒液をかけてくれた。
現在問題になっている新種のインフルエンザ対策であろう。
午後2時から試験開始。前半の1時間半が、文法、語彙と作文、30分の休憩をはさんで、後半の1時間半がリスニングと読解である。
試験監督は、私と同世代くらいの男の先生。やはり私と同じように汗っかきで、今日はたいして暑くないのに、つねに汗を拭いておられる。
前半の試験が終わった休み時間、座って待っていると、試験監督の先生が話しかけてきた。
「試験、難しいですか?」
「ええ、難しいです」
「試験問題を見ましたが、時間が足りないみたいですね。午前中は高級(上級)の試験の監督もしたんですが、やはりみんな難しかったようでした」
それはそうだろう。いま私が受けているのは中級だが、高級(上級)は、韓国語の先生も首をかしげてしまうような理不尽な難問が出る、と聞いたことがある。
「実は私も以前、日本語の試験を受けたことがあるんですが、やはり難しかったです」
日本語を勉強されていたらしい。
試験監督は、試験中に、受験票と、身分証を照合する作業を行う。それを見れば、その受験生の国籍や生年月日を知ることができる。その試験監督は、私の国籍と生年月日を見て、親近感がわいたのかも知れない。
さて、後半の、リスニングと読解の試験。
うーむ。かなり難しい。やはり試験対策を継続してやってこなかったことがかなり痛い。問題数も多く、とても時間が足りない。
うなだれたまま、試験が終わる。
そもそも、昨年末から韓国語を学びはじめたような人間が、軽い気持ちで受けるような試験ではないのだろう。
ま、仕方がない。記念受験だと思えばいいか。
最後に、試験監督の先生に「スゴ ハショッスムニダ(お疲れさまでした)」と挨拶をして、教室を出ようとすると、その先生はニコリと笑って、
「オツカレサマデシタ」
と日本語でおっしゃった。
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