« 昼食付き試験 | トップページ | 小さな研究会 »

紅葉狩り

10月23日(金)

大学の先生方や大学院生のみなさんと、「紅葉狩り」に行くことになった。

場所は、安東(アンドン)の北、ポンファというところにあるチョンリャン山である。

大邱から車で2時間くらいかかるところである。

午前10時、総勢15名が、3台の自家用車に分乗して大学を出発する。

いま、「午前10時」と書いたが、実はこの日、語学の授業を休みますと、語学の先生にお伝えしていたのだが、前日(木曜日)にメールで送られてきた予定表を見て、出発が「午前10時」だということを知り、急遽、9時から始まる1時間目の授業にだけ、出ることにした。

学生の鑑(かがみ)だな、私は。

それといま、「前日に予定表が送られてきた」と書いたが、こんなことはよくあることである。前日まで、自分たちが何時にどこに集合するのか、そしてどこに行くのかを知らされない、というケースはザラである。いつでも対応できるように、スタンバイしておかなければならないのだ。

1時間目の授業は9時50分に終わるのだが、今日にかぎって先生が授業時間を延長し、結局9時55分過ぎに授業が終わる。

あわてて集合場所に走る。結局私がいちばん最後になり、偉い先生方をお待たせすることになってしまった。

さて私は、偉い先生方の乗る車に乗せられることになった。

韓国では、教授と学生の区別が歴然としている。

偉い先生は偉い先生どうし、学生は学生どうしで車に乗る、というのが、原則のようである。

本当は大学院生のみなさんと一緒の車がよかったのだが、いちおう私も「キョスニム」なので、偉い先生のいらっしゃる車に乗らざるをえなかったのである。

お昼ごろ到着。昼食を食べたあと、いよいよ登山開始である。

Photo_2 急な登り坂が続く。相変わらず、すぐに息が上がるが、他のみなさん方も、ふだん運動されていない人が多いようで、同じように息が上がっている。

Photo 20分ほどで、最初の目的地、清涼寺に到着。

さらに上に行ったところの、「ハヌレ タリ(天空橋)」をめざす。

再び急な登り坂が続く。

途中、大学院生の方が、下ってくる人たちに、「(天空橋に)あとどのくらいで着きますか?」と聞いている。

すると道行く人のほとんどが、「もうすぐそこだよ」と答える。

しかし、いっこうに着く気配はない。

どうやらいい加減に答えているらしい。すれ違うときの挨拶のようなものか。

Photo_3 やがて天空橋に到着。

吊り橋から見る風景は、絶景というにふさわしい。

吊り橋の真ん中あたりの所は、下がガラス張りになっていて、真下を見ることができる。高所恐怖症の人は、絶対に渡ることができないだろう。実際、ある方は、橋を渡ることができなかった。

吊り橋の上で、大学院生の女の子が、「オンマ!ボヨジュルケヨー(ママー、見せてあげるよー)」といって、携帯電話のカメラでうつした風景を、リアルタイムで(故郷にいる)母親に見せていた。

あまりの風景のすばらしさに、この風景をお母さんにも見せたかったのだろう。韓国らしい、親孝行の姿である。

そういえば、万葉集に、こんな歌があった。

「玉津島 見れども飽かず いかにして 包み持ち行かむ 見ぬ人のため」

むかし、ある高名な万葉学者の講演を聞いていたら、「この歌は駄作です」とおっしゃっていた。

理由は、「玉津島」の部分を別の名所に置き換えても、歌として成り立つから。つまり、この歌自体は、「玉津島」の美しさを、何ら表現していない、というのである。

たとえば、

「ハヌレタリ 見れども飽かず いかにして 包み持ち行かむ 見ぬ人のため」

としても、歌として十分成り立つのである。

そして万葉集の時代の人が「どうやって包んで持って帰ろうか」と悩んでいた美しい風景を、いまでは携帯電話のカメラ機能を使うことにより、容易に持ち帰ることができるばかりか、リアルタイムで見せることができるのである。

でも、美しい風景を包んで持って帰りたい、というその思いだけは、今も昔も変わらない。

|

« 昼食付き試験 | トップページ | 小さな研究会 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 昼食付き試験 | トップページ | 小さな研究会 »