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中間考査(4級)

10月10日(土)

またこの日がやってきた。中間考査である。

中間考査や期末考査の前日になるといつも、何をやっていいかわからなくなり、一種のパニック状態になる。昨日も、そうだった。

結局、時間ばかりが過ぎて、何も手がつかないまま、試験本番を迎えた。

試験の時間割は、前学期と同じであるが、休憩時間が10分から15分に増えた。

9:00~10:10 読解と作文

10:25~11:05 文法

11:20~12:00 リスニング

14:00 マラギ(スピーキング)

相変わらず、「イジメ」のような分量の試験である。容赦しない、とはこのことである。

今学期からこの語学堂で勉強しているカエ「ヌナ(お姉さん)」は、はじめて定期試験を受けた。休み時間に「どうでした?」と聞くと、「キビしすぎますね。まるでスパルタですよ」と、衝撃を受けた様子である。

そう、キビしすぎるのだ。私はそのキビしすぎる試験を、すでに7回も受けているのである。

午前中の試験が終わり、グッタリとなる。私よりひとつ上のクラスの5級を受けている妻は、午後のマラギの試験がない、ということで、5級のチングたちとお昼を食べに行くという。

私はその誘いを丁重に断った。試験が終わって解放感にひたっている「5級サマ」のみなさんと食事に行く気には、到底なれない。しがない4級でござんすから、こっちはまだ、マラギ試験が残っているのである。

ひとりで、大学の近くの「キンパプ天国」という店に行く。

試験の時は、この店でキンパプ(のり巻き)とラーメンを食べることにしている。一種の験担ぎ、といってよい。

ひとりで背中を丸めて食べていると、「アンニョンハセヨ?」と、声をかける人がいる。

ふりかえると、同じ4級のクラスの、ハナさんと、リュ・リンチンさんであった。

さらに、2級の時のチングである、ル・ルさんとタン・シャオエイ君のカップルも、店に入ってきた。

同じ4級の仲間に会うと、やはり安心する。

「試験どうだった?」

お決まりの質問をすると、

「ちょっと難しかったですね」と、タン・シャオエイ君。

「トゥッキ(リスニング)の分量が多かったですね」とル・ルさん。

ハナさんもまた、今学期からはじめて勉強しはじめたということで、試験の難しさに衝撃を受けていたようだった。

さて、午後2時、語学堂に戻り、マラギ試験の控え室に行く。

試験の順番を待っている間、前に座っていたチュイ・エンピン君に、

「マラギ試験の準備した?」と聞くと、

「ええ、(ヤマをはって)4つの主題について準備しました」

という。

「たぶん、環境問題についてのマラギが出ると思います」

マラギ試験は、マラギの授業で扱ったテーマのうちから出る、としか聞かされていない。環境問題やゴミ問題、障害者福祉、整形手術、結婚、家族、男女差別、などが、マラギのテーマの候補である。試験は、与えられたテーマについて、5分程度スピーチをしなければならない。

「キョスニムはどう思いますか?」

「結婚観が出るんじゃないかな」

「結婚観?」

「恋愛結婚がいいかお見合い結婚がいいか、とか、何歳で結婚したいとか、結婚したら親と同居するかどうか、とか…」

「なるほど、その可能性もありますね」

チュイ・エンピン君は素直なので、私の言うことを真に受けるタイプである。

あっという間に自分の順番がまわってきた。

蓋を開けてみると、「韓国での経験を踏まえた、韓国や韓国人に対する印象」というテーマ。チュイ・エンピン君も私も、ヤマがはずれた。

1分ほど考えたあと、話しはじめる。

しかし、何せぶっつけ本番なため、考えがひとっつもまとまらないまま、しどろもどろしているうちに終了。

いつものように、まるで抜け殻のようになって、教室を出た。

そしていつものように落ち込んで、フラフラと歩きながら、着いた先が散髪屋さん。

「どうしますか?」と美容師さんに聞かれ、

「短くしてください!」と答えた。

いつものように、あっという間に散髪が終わる。

…うーむ。いくらこっちが心機一転だからといって、ちょっと短くしすぎだよ、美容師さん。

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