尾籠な話で失礼
10月6日(火)
後半のマラギ(会話表現)の授業担当の「よくモノをなくす先生」の面白さを、文字面(づら)で伝えるのは、なかなか難しい。
現在は、大学院に通いながら、語学堂で外国人相手に韓国語を教えている。田舎のガリ勉少女が、そのまま研究者になった、といったらよいか。無邪気で天然なところがある先生である。
今日の3分マラギのテーマは、「民間療法」。リ・ハイチンさんが、「吐き気」「頭痛」「便秘」の際の民間療法について、中国の事例を紹介した。
このあと、先生がコメントする。
「私は小さいころ、バス酔いがひどくて、いつも吐いていたんです。で、ハルモニが『スルメ』を食べるといい、と言って、バスに乗るときは、ずっとスルメを食べていました」
スルメがバス酔いに効くのか?聞いたことがない。
「それは単に私が、スルメが大好きで、それを食べていれば、吐くことを忘れるだろう、ということで、ハルモニが考えたんです」
このあたりからもう話があやしくなる。「民間療法」でもなんでもない。
つづいて「便秘」。
「みなさんの中で、便秘で悩んでる人はいますか?私は、便秘になったことがないんですよ。なにしろ、1日に2回、用を足していますから」
なんと、1日の排便の回数をカミングアウトしたぞ!とんでもない個人情報の流出である。
「でも、私の弟といとこは、ひどい便秘持ちなんです」
そのうえ、身内が便秘である、という個人情報まで流出した!
さすがに、話を聞いている学生たちも、少し引き気味である。
このあとも、くり返し、「なにしろ、1日に2回、用を足しますから、便秘ではないんです」と強調する。
そして、ご自身が便秘にならない理由を次のように説明した。
「まず、朝食をしっかり食べます。朝食を食べないと、1日の力が出ませんからね。そのときに、オモニ(お母さん)とお話をします」
そしてオモニム(お母さん)と会話をしているうちに、便意をもよおすらしい。
それって、オモニムの顔を見ると、便意をもよおす、てことか?
この話を聞いて、落語に出てくる、「横丁のご隠居」と「八っつぁん」の会話を思い出した。
ご隠居「気が合う、てえのか、合縁奇縁てえかねえ、お前さんとなんとなく日に一度会わないと、どうも御膳が旨くないような心持ちよ」
八「そうでしょ。あっしもそうなんだ。隠居さんの気が合う、てえのかねえ。日に一度顔を見ないというと、その日なんとなく『通じ』がなくてしょうがなくってね」
ご隠居「人の顔で『通じ』をつけやがる。どうもあきれたねえ」
(立川談志「雑俳」より)
まさに落語のような話である。
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