連休最終日
10月4日(日)
チュソク(秋夕)の連休、最終日。
明日からの週は、語学の試験が3つ(うち1つは中間考査)と、学会参加が控えている。さらに10月後半の研究会での発表原稿も作らなくてはならない。だが、まったくやる気が起こらず、結局、連休最終日をだだらに過ごすことになった。
夕方、市内へ出て、映画を見ることにする。
「また映画かよ!」と言われてしまいそうだが、チュソクを当て込んでいるのか、ここ最近、公開される映画がけっこう多い。連休でもないと、まとめてみる機会がないので、この際、見ることにした。
今日の映画は、ハ・ジウォン、キム・ミョンミン主演の「私の愛私のそばに」である。
ハ・ジウォンが主演となれば、見ないわけにはいくまい。この連休で、いちばん見たかった映画である。
相手取るのは、韓国版ドラマ「白い巨塔」で財前役をつとめたキム・ミョンミン。名優である。私の中では、「韓国の唐沢寿明」である。
内容は、不治の病に冒された夫(キム・ミョンミン)と、彼を献身的に支える妻(ハ・ジウォン)をめぐる物語。キム・ミョンミンは、この映画の役作りのために20キロ減量したという。
そのシノプシスからも連想されるように、いわゆる「涙強盗」(観客から涙だけを奪っていって、後は何も残さない)のジャンルの映画、といってよい。主人公が不治の病に冒されているのだから、泣かないはずはないのである。
だが、単なる「涙強盗」で終わらないのは、ハ・ジウォンの「華のある佇まい」と、キム・ミョンミンの演技である。キム・ミョンミンは、いずれ役作りが高じて、死に至る芝居をするために、本当に死んでしまうのではないか、と、いらぬ心配をしてしまう。
そしてハ・ジウォンはなんと言っても華がある。この映画を見たら、誰でも、ハ・ジウォンが好きになるのではあるまいか。
映画館では、途中からすすり泣く声が聞こえてきた。かくいう私も、ちょっとうるっと来た。
映画が終わり、このままではダメだ、と思い、なんとか面白いことを見つけようとする。
尾籠な話で恐縮だが、トイレで小用を足していると、隣に立った人が、驚くべき仕草をしていた。
映画館で売っているポップコーン。あれって、小さいバケツくらいの大きさの、紙容器にいっぱい入っているよね。あるいは、巨大な紙コップ、といった方がよいか。
その男は、ポップコーンが入ったその巨大な紙コップの置き場所に困ったんだろうね。用を足すときに両手がふさがってしまうものだから、巨大な紙コップの一端を口にくわえながら、便器の前に立って、用を足していた。
その光景は、なんとも滑稽である。
いや、それよりなにより、あとで、ヨジャ・チング(ガールフレンド)と一緒に、そのポップコーンを食べるのだろうか、と思うと、ちょっとゾッとするね。ヨジャ・チングがもしその光景を見ていたら、絶対にそのポップコーンを食べないだろうな。
そのことを想像して、「盗まれた涙」が、少し取り返せた気がした。
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