白夜行
11月29日(日)
この1週間は、24日(火)と25日(水)に、勤務先の大学と、こちらにある大学の交流行事に参加、26日(木)の夕方に、木曜恒例の研究会に参加、28日(土)に、ソウルで学術大会に参加、など、淡々と予定をこなした。残りの日は、12月にする学会発表の原稿作成などをする。
そして日曜日、久しぶりに映画を見る。
東野圭吾原作の『白夜行』が、韓国で映画化された、となれば、見に行かねばなるまい。
『白夜行』は、東野圭吾の傑作小説である。韓国でも、翻訳本が出されている。
ところで、日本ではどの程度の知名度なのだろうか。
先日、大邱に訪れた日本人の何人かに聞いてみたが、「知らない」とか、「東野圭吾は知っているが、『白夜行』は読んだことがない」という反応がけっこうあった。
日本で一度、ドラマ化されたことがある。
ドラマ自体は、評判がよかったようであるが、私は、劇中に出てくる主役の刑事が、ミスキャストのような気がして、結局見なかった。
原作の小説を読んだとき、「この刑事を演ずるなら岸辺一徳しかいない」と思っていたので、イメージとかけ離れていたのである。
自分の好きな小説が映画化やドラマ化されるときには、期待と不安が入り交じる。えてして、自分のイメージを壊してしまう内容のものが多い。
とはいえ、私自身、『白夜行』の内容を実はほとんど忘れてしまっていたので、新たな気持ちでこの映画を見ることができた。
さて、内容は、…『白夜行』フリークの妻に言わせると、原作よりも、むしろ日本のドラマをもとにして作られた感じがあるという。
たしかに、刑事役を演じた、ハン・ソッキュは、原作の小説よりも、日本のドラマで刑事を演じていた俳優のイメージを襲っているように思える。
ただ、原作を知らない人にとっては、あれはあれでいいのかな、とも思う。
もとより、あの完璧で長大な原作小説『白夜行』を、舞台を日本ではなく韓国で、しかも2時間半の映画として描くことじたい、無謀な試みと言えなくもないが、丁寧な描写とキャスティングの妙で、十分と楽しむことができた。
『白夜行』は、映画やドラマに携わる人なら、一度は挑戦してみたいと思うであろう、傑作小説である。
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