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さよなら、4級3班!さよなら、語学院!

11月13日(金)

私にとって、最後の語学の授業の日。

隣の席のリ・チャン君が私に話しかける。

「昨日、故郷のアボジ(父)に電話したときに、미카미씨のことを話したんです」

「どんな話をしたの?」

「僕の隣の席には、日本から来たキョスニムが座っていて、一緒に勉強しているけど、いつも若い気持ちでいる。だから、アボジも、若い気持ちを持たなければダメだよ、と」

「へえ、アボニムは何をやっている人?」

「公務員です。でも、仕事ばっかりしていて、いつもため息をついてます」

「お歳はいくつなの?」

「42歳です」

ええ!私とほぼ同い年ではないか!かなりショックである。

彼にとって、私は父親の世代だったのか…。

さて、最後の授業は、淡々と進んだ。

後半の授業の3分マラギは、チュイ・エンピン君が、北京の名所を、写真をみせながら紹介する。私も、2年前の冬に行ったことを思い出し、しばし懐かしむ。

そして最後の時間。ひとりひとりにA4の紙1枚が配られた。

その紙の上の方には、私が先日の野外授業の時に撮った集合写真がレイアウトされていた。

「みなさーん、いまから順々に紙をまわしていって、余白のところにチングへのメッセージを書いてくださーい」と先生。

いわゆる「寄せ書き」である。

順々に各人の紙をまわしながら、ひとりひとりにメッセージを書き、授業は終了した。

昼食のあと、書いてもらったメッセージに目を通す。今回の2人の先生からも、丁寧なメッセージをいただいた。

どれも身に余る言葉ばかりで、涙が出てきた。どうも最近、涙もろくていけない。

ここですべて紹介したいところだが、やはり私の心の中にしまっておこう。私にとって、大切な言葉ばかりである。

いや、1人だけ、紹介しよう。

今日が最後の授業だということで久々にやってきた、スンジ氏の言葉である。

スンジ氏は、日本の大学を卒業したあと、チェイルキョボ(在日僑胞)として、もう一つの故郷の言葉である韓国語を勉強しようと、この国にやってきた。この4級の授業が終わると、日本に帰ることになっている。

授業中は、ほとんど喋らないが、関西出身なので、たぶんふだんはおしゃべりなんだろうな、と思う。細身の長身で、売れないミュージシャンによくいるような雰囲気の若者である(失礼!)。

彼だけが、韓国語ではなく日本語で私に次のようなメッセージを書いた。

「めっちゃ有名な学者さんになったら、何でもいいんで僕を使ってください!!」

これには思わず吹き出してしまった。

よし!スンジ氏のためにも、めっちゃ有名な学者になったるでぇ。

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