クリスマスの夕食
12月25日(金)
韓国では、クリスマスは休日である。
この日、大邱近郊の大学のある先生に、夕食を誘われた。
以前から、いちど食事をしましょう、と言われていたのだが、これまでなかなか機会がなかった。この日、先生のところの碩士(修士)課程の大学院生が、このたび碩士論文を出したので、そのお祝いをかねた食事会に妻とともに呼ばれたのである。
バスに乗って1時間かけて、その大学に到着。夕食のお店は、大学の近くにある鮑専門店である。
碩士課程の大学院生の方と会って驚いた。
日本人の女性の方である。
いろいろお話を聞いてみると、小学校の先生をされていたその方は、定年退職後、韓国語を勉強しに、この大学の語学院に留学した。語学院で1年間勉強をしているうちに、周りの若い中国人留学生たちが、みんな韓国の大学に留学するのをみて、「自分も、韓国の大学で勉強できるかも知れない」と思い、この先生の研究室の門をたたいた、というのである。この先生を選んだのは、同じ女性どうし、ということもあるだろうが、専攻する分野に魅力を感じたことが、何よりの理由だったのだろう。
この気持ち、少しわかる。
私も1年間、語学院で勉強して、中国人留学生たちをみていて、「いまから韓国の大学院に入りなおそうかな」と、一瞬、考えたことがある。だが、韓国では、大学院生になっても宿題が山のようにあり、また、教授と大学院生の差が歴然としているという実態を知ってしまったから、いまからとても大学院生には戻れまいと思い、あきらめたのである。
しかしこの方は、それをやり遂げたのだからすごい。
40歳になって1年間韓国で勉強するなんて、全然たいしたことないんだな、と思い直す。
一緒に食事をした先生、というのもすごい。
フランスやアメリカに留学経験のあるその先生は、とにかく視野が広いし、お話も面白い。聞いていて、「フランスって、面白い国だな」ということを実感させられる。
この先生はまた、エッセイストでもある。先日、エッセイの専門雑誌で新人賞をもらったという。
生まれてこのかた、これほどの量の鮑を食べたことがない、というくらい、美味しい鮑をいただきながら、その先生のお話を聞いて元気をいただく。
数年後には日本に留学したい、とおっしゃったその先生に、「日本にいらしたらいろいろとご案内します」と、お約束した。
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