石橋を叩いて渡る
12月8日(火)
語学院でお世話になった先生お二人と、食事をご一緒する。
お一人は、妻が半年間習った「恩師」。
もうお一人は、4級のときのマラギの先生(よくモノをなくす先生)。この先生には、妻も1学期間だけ習っていた。
そして、その先生のナムジャチング(ボーイフレンド)も参加して、総勢5名で、八公山のふもとにある、雰囲気のよい韓定食の店に行く。
妻の「恩師」とは、授業で習ったことはないのだが、語学教育のプロ、というべき先生で、一度、授業を受けてみたかった先生である。
その先生はいま、5級クラスで文法を教えていらっしゃる。4級時代のチングたちが、いま、この先生のもとで学んでいる。
いま授業では、韓国のことわざについて、教えていらっしゃるという。
「ことわざって、経験がないとなかなか覚えられないみたいなんですね。一度でもそれに近いことを経験していれば、ことわざを実感して早く覚えられるんだけれども、若い子たちは、あまり経験がないから、ことわざを覚えるのがしんどいみたい」と先生。
先生が続ける。
「そうそう、ことわざで思い出したけれど、今日の5級の授業で、『石橋を叩いて渡る』ということわざを教えたときに、『このことわざのような経験をしたことがありますか』と聞いてみたんですよ」
「すると、学生の1人が手をあげて、『미카미씨が・・・』と言い出すんです」
ここで私の名前が出てきた。
「『この前、미카미씨と一緒に八公山に登ったとき、絶対に雨が降らない、という日なのに、미카미씨が傘を持ってきたんです』って。『それと、電子辞書も持ってきていたんです』とも言うんですよ」
ここで、思い出す。先日の同窓会登山のときのことである。
私があまりに大きなリュックを背負っていたので、「中に何が入っているんです?」と、「よくモノをなくす先生」に聞かれた私が、リュックの中から、折りたたみ傘と、電子辞書をとりだした。
「今日は、雨が降らないでしょうに」と先生。
「でも、万が一、ということもありますから」と私。
「で、電子辞書は?」
「わからない単語が出てきたときのために…」
先生を含めた、チングたちは呆れ顔。妻は「いつもこうなんです」と、ため息をついた。
その学生は、そのことを思い出したらしいのである。
「で、その学生は、誰なんです?」と、先生に聞くと、
「クォ・チエンさんですよ」と先生がお答えになる。
3級時代のパンジャンニム(班長殿)、クォ・チエンさん。
なるほど、クォ・チエンさんの観察力をもってすれば、私のリュックの中身のことは忘れずに覚えていただろうな。
「で、クォ・チエンさんがそのことを言うと、まわりの人も、『そうだそうだ』ってことになって、ひとしきり미카미씨の話題で盛り上がったんですよ」
同窓会登山に参加した人はごくわずかだと思うのだが、ほかに私を知っている人が便乗して盛り上がった、ということなのだろう。
(まだ、忘れられていなかったんだな…)と、少し嬉しくなる。
彼らにとっては、晴れの日でも傘を持ち歩き、登山のときでも電子辞書を持ち歩く、という私の癖(へき)、というか、病(やまい)のおかげで、「石橋をたたいて渡る」ということわざを覚えることができたのである。ちょっとニュアンスは違うような気もするのだが。
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