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毎週月曜日は、特別講義

12月28日(月)

毎週月曜日の午後、私の研究室に掃除のアジュンマ(おばさん)がやってきて、研究室の掃除をしてくれる。

このアジュンマ、とても話し好きである。

床を掃いて、机の上を拭いて、ゴミ箱にたまったゴミを捨てる。わずか5分もあればできるこれだけの作業も、30分以上かかるのである。

理由は、「話をしている間、手が止まる」から。

さらに悪いことに、このアジュンマが喋っていることが、私には、ほとんど聞き取れない。

独特のサトゥリ(訛り)があるためかも知れないが、なにより、話のプロではないので、話題があちこちに飛んだり、外国人にはわからない表現をふつうにしたりするので、とにかく聞いていて、よくわからないのだ。

だが、先方は、私がほとんど聞き取れていると思っているらしく、嬉々としてお話になる。

しかも私が「ふん、ふん」と、おとなしく聞いていることに気をよくしてか、毎週、必ず何か話題を用意しているようなのである。

例えば、先日は、「柿」をテーマにしたお話。韓国の柿についてひとしきりお話になったあと、「柿といえば、韓国には柿にまつわる昔話があるんですよ」という。

「聞いてみたいですね」と私。

そこから、柿にまつわる昔話が始まるのだが、これがまったく聞き取れない。どんな話なのか、皆目わからないのである。わずかに聞き取れたのは、「柿」という単語と、「虎」という単語。どうも柿と虎にまつわる話らしい。

そして今日もまた、掃除のアジュンマの特別講義が始まる。

「学者さん、というのは、ひとつのことを深く勉強するのでしょう。それも大事だけれど、いろいろなことを広く知ることも大事ではないかしら」

「はあ」

「昔、ある立派な学者さんが、マッチの擦り方を知らなかった、なんてことがあったんですよ」

「そうですか」

「まあ、それは極端な例ですけど、でも、もっといろいろなことを広く知らないと」

「そうですね」

ここから、アジュンマはなぜか、「多国籍企業の問題点」についての話をはじめた。

「多国籍企業の進出のせいで、世界の国々には貧しい人びとが増えてしまったんですよ」とアジュンマ。

どうも、昨日、その手の本を読んだらしい。

さらにアジュンマの講義は、「韓国の農業政策の問題点」へと続く。

「いま、韓国の農業政策は危機的状況にあるんです。政府も、農業政策を軽視している!でも、韓国の農家たちは、声を上げようとしないんです!」

はあ、はあ、と聞くしかない。

「もっとそういうことについて考えてもらわないと!」

え?私が…?何で?

ひとしきりお話が終わると、「ゴミを捨ててきます」と、ゴミ箱のゴミを持って外へ出ていく。

30分にわたる講義が終わり、ホッとする瞬間である。

この講義、あと何回続くのだろう。そして帰国の日までに、ちゃんと聞き取れることができるようになるだろうか。

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