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女優たち

12月15日(火)

調査旅行、学会発表、韓国語による講義と、昨日までの仕事がひとまず終わった。今日くらいは、少しゆっくりさせてもらってもいいだろう。

0vrysknntvag633941337428474843 ということで、市内に出て映画を見に行くことにする。タイトルは、「女優たち」。

2008年12月24日のクリスマスイブ。韓国を代表する6人の女優が、写真撮影のために、一堂に会した。映画は、その写真撮影の待ち時間に起こるさまざまな出来事や、その間に交わされる6人の女優たちの会話をドキュメンタリータッチで描く。

といっても、これは、虚構の設定である。あくまでも虚構の設定なのではあるが、登場する女優たちは、実名で登場し、会話の中で交わされる内容には、彼女たちの実際の人生が織り交ぜられている。まあ、ふだん、女優が集まったときに、どのようなことが起こるのか、というのを、映画的にみせたもの、といってよい。

手持ちのカメラで撮影し、セリフも、すべて自然なしゃべり方で進んでゆく。すっぴんに近い顔が、化粧によって大きく変わっていく様子など、実にリアルに女優たちを映しだしてゆく。

前半は、若干、芝居がかった設定で話が進んでゆくが、後半は、ひたすら6人の女優たちがおしゃべりをする。

そのおしゃべりが、どこまでが台本で、どこまでがアドリブなのかがまったくわからない。実にリアルなのである。そして実に面白い。

私が面白いと思ったのは、ひとりの女優が話しているときの、他の女優の表情である。この会話の中で、自分はどのような表情でのぞめば印象的に見えるのか、どのような表情でこの話を受ければよいのか、といったことを、女優は瞬時に計算している。このことが手に取るようにわかるのである。

たとえば、ある女優が話していて急に泣き出すとする。このとき、ほかの女優は、一緒になって泣くのがいいのか、それとも泣かずに気丈にふるまうのがいいのか、6人の中の自分の役割を、すぐに判断して、それぞれの役割を演ずる。泣くにしても、どのようなタイミングで、どの程度泣くのかなど、その女優がもっとも印象的に映るような泣き方をするのである。

これは、芝居というより、もはや本能である。

その意味でこれは、女優の舞台裏を描いた映画ではない。女優の本能を描いた映画である。

そして、一見、女優の素顔をさらけ出しているようにみせながら、作品じたいに、女優に対する「救い」がみられる。女優にとっても、救いのある映画なのである。

さて、6人の女優は、いずれも韓国では誰でも知っている女優である。といっても、日本ではなじみのない人も多いと思うので、(私の独断と偏見で)日本の女優にたとえつつ紹介する。

ユン・ヨジョン…加賀まりこ

イ・ミスク…夏木マリ

コ・ヒョンジョン…山口智子

チェ・ジウ…松嶋菜々子

キム・ミニ…麻生久美子

キム・オクビン…上野樹里

この映画を見て最後にひとつ思ったこと。それは、「女優とは絶対結婚したくないなあ」ということ。もちろん、そう思わせた女優の勝ちである。私はまんまと騙されているのかも知れない。

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