学術交流行事と学術大会
12月16日(水)~12月18日(金)
日本の有名私立大学の先生方と大学院生のみなさんが、学術交流プログラムのために、私の通っている大学にいらっしゃった。前回の3月に続き、2度目である。
私自身はこのプログラムにはまったく関係ないのだが、いらっしゃる先生が私の出身大学の所属学科の大先輩ということで、3日間だけ、おつきあいすることになった。
1日目は、韓国と日本の先生方による記念講演会。終わった後に、例によって交歓会と称する食事会に参加する。
2日目、3日目は、日本からいらした方々を連れて、大型バスで周辺地域の踏査である。とくに3日目は、零下6度という極寒の中、遺跡の現場を4箇所見学するという無謀な日程であった。
近年、韓国と日本の大学の間で、学術交流が進められ、さまざまなプログラムが実施されることが多い。最近、そのいくつかを目の当たりにして、大学間の学術交流のかかえている難しさや問題点が、だんだんわかってきた。
…これ以上書くと、まったく面白くない愚痴と悪口になってしまうので、この話はここまで。
12月19日(土)
数日前、私が通っている大学のある先生から、「土曜日に学会の学術大会があるので、ぜひ参加してください。その後、学会のみなさんと一緒に食事をしましょう」というメールが来た。
プログラムを見ると、全体で4つの部会に分かれていて、大きな学術大会のようである。学会じたいも、この地域で古くからある学会のようだ。前日までの3日間で、すっかり疲労していたが、行くことにした。
バスと地下鉄を乗り継いで、会場となる大学に到着。すると、ビックリしたことに、当日の参加者は、1部会あたり10名弱。そのうちのほとんどが、発表者と討論者と司会者だから、ギャラリーは実質、わずか数名、といったところである。さらにビックリしたことに、「土曜日の学術大会に参加してください」と誘っていただいた先生は、会場に来ておられなかったのである。
A部会の報告を2本聞いた後、B部会の報告を1本聞きに行くことにした。B部会で行われる発表は、私の専門分野ではないが、私の興味をひく題目だった。
B部会が行われている教室に行くと、純粋なギャラリーは、私を含めて2~3名といったところか。すでに研究発表も、終わりの方にさしかかっていた。
私は終わりかけの発表を聞きながら、発表原稿の「結語」のところだけ読んで、この発表の趣旨を理解しようとした。
ひととおり、討論者と発表者の議論が終わった後、司会者が、「会場からコメントをお願いします」といって、あろうことか、この私を指名したのである。
発表は、終わりの数分しか聞いておらず、しかも韓国語の内容をほとんど理解していない。司会の先生も、私が何者かをまったくわからずに指名している。
司会者のすぐ横には、この発表の討論者の先生が座っていた。討論者の先生は私のことを知っていたので、どうやら討論者の先生が司会者の先生に、「あの人を指名しろ」とうながしたようである。それで司会の先生は、言われるがままに、私を指名した、というわけである。
仕方がないので、立ち上がり、先ほど急いで読んだ「結語」の部分だけを頼りに、韓国語でしどろもどろコメントを言った。
それにしても、なんという「むちゃぶり」か。
どこの馬の骨ともわからない、韓国語がいっこうにおぼつかない外国人、しかも、専門分野がまったく違う人間に、コメントを求めるとは。
やはりうかつに学術大会なんかに出るものではない。
私は学術大会終了後、そそくさと会場を後にした。
…と、ここまで書いてきてわからなくなってきた。「学術」って、いったい何?
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