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喫茶店生活

最近はといえば、原稿を書く毎日。

研究室でしばらく原稿を書いていると、しだいに寒くなっていられなくなるので、喫茶店で原稿を書くことになる。

前から書いているように、私は喫茶店にいるときが、勉強がいちばんはかどるのである。

最近、よくいく喫茶店のひとつが、大学構内にある喫茶店。研究室からも歩いて近い。

喫茶店の名前が「勉強の楽しみ」。いい名前だ。

この喫茶店は、語学院に通っているときから、宿題をやるときなどに、しばしば利用していた。

そこで、いつもいる人がいる。

語学院で英語を教えているチョルスさんだ。

本名は、ビル・ハートさん。れっきとした英語圏の方。

しかしなぜか、ここではチョルス、という名前を名のっている。チョルス、とは、韓国人男性の典型的な名前。日本でいえば、太郎、といった感じである。

チョルスさんは、語学院で英語を教えるかたわら、韓国語を勉強している。実は1級1班のとき、何回か一緒に授業を受けたことがある。

この日記にも書いたが、「○○が○○にあります」という表現を使う練習のとき、「恋人が夢の中にいます」と答えて、私をあ然とさせた方である。

その後、1級1班の授業があまりにバカバカしくなったのか、授業に出なくなってしまったが、しばらくたって、4級の授業のときに、隣のクラスで勉強していることがわかった。まだ、韓国語の勉強を続けていたんだな。

で、4級の宿題をしに、「勉強の楽しみ」に行くと、そこに必ずチョルスさんがいた。彼はいつも、テキストを、声に出して読んでいた。

ときどき、挨拶を交わしたが、だいぶ韓国語がお上手になっていた。さすが、語学の先生である。

この先生、ちょっと変わっている。

最初は、キム・チョルス、と名のっていたそうなのだが、途中から、シム・チョルスと改名したのだという。

理由は、本名の「ハート」が「心」、つまり韓国語で「シム」だから。

そのことを韓国語の先生に伝えたところ、「名前を変える、というのはよくあることだけど、韓国で姓を変える、なんて考えられません」とあきれられたそうである。

やはり、変わった人だ。

最近はあまり見かけなくなったが、韓国語の勉強は一段落したのだろうか。

私は、おそらく、そのチョルス氏と並んで、この喫茶店の常連である。店員さんとは、すっかり顔なじみになってしまった。

そりゃそうだ。喫茶店に来るたびに、ノートパソコンだの、大量の資料だのをつめた大きなリュックを背負ってやってくるのだから。目立たないはずがない。

行くと、こちらが何も注文しないうちから、アルバイトの大学生風の店員の女性に、「アメリカーノ」ですよね、といわれる。

たまに、みかんだの、チョコレートだのをサービスしてくれる。

「私がひとりで行っても、つけてもらったことなんかないよ」と妻。

わるいが、私はこの界隈では有名人なのだ。

この喫茶店は、夜7時で閉まる。夕食後、今度は別の喫茶店に移動する。

大学の北門の横にある「カフェC」。

ここで、夜12時近くまでねばる。

毎日のように行くので、やはりここでも、たまにチョコレートをサービスしてくれる。

いまは、以前よく行っていた、2軒の喫茶店に、ほとんど行かなくなってしまった。店長に悪いなあ、と、なんの義理もないのだが、なんとなく後ろめたい気分である。

そういえば、やはり最近、もっぱら喫茶店で勉強をしている妻から、こんな話を聞いた。

勉強しながら、隣の席に座っていた韓国人2人の話を聞くとはなしに聞いていたところ、次のようなことを話していたという。

その韓国人が、外国(西欧のどこか)に、旅行に行ったとき、「日本食」と書かれている食堂に入って、ラーメンを注文したところ、中国人の店員が出てきて、「辛ラーメン」を出してきた、という。

よくできた話だ。

むかし友人が、ドイツに旅行に行ったとき、日本食のすし屋に入ったところ、タイ人が、トロピカル寿司を握っていた、と言っていた話を思い出した。

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