帰国祝い行脚
5月7日(金)
午後、新幹線に乗って東京へ向かう。夕方に都内の私立大学で、ささやかな研究会があるためである。
ここ最近、学会というものからほとんど相手にされず、私自身も背を向けて生きていくことに決めた今、この小さな研究会は、私の数少ない居場所の一つとなってしまった。それがいいことなのかどうかは、わからない。
この日は、研究会といっても、私ともう一人の先生が長期の韓国滞在から帰国した祝いに一杯飲もう、というのが、メインのようである。
研究会終了後、いつも行く、近くの居酒屋へ移動。美味しい日本酒の地酒をしこたま飲む。わが師匠も、ふたりが無事帰国したことに安心したのか、上機嫌であった。私も、酔っぱらった勢いにまかせて、エラそうなことを口走ったりして、あとで激しく反省する。
5月8日(土)
高校時代の部活の同期や後輩たちと、バーベキューをする。
先週も、高校時代の部活の同期や後輩たちと「カレー」をやったばかりだが、今回のメンバーは先週のグループとは異なる。
高校卒業後、OBの有志たちで新たにブラバンを作った。私も設立から約10年間、そのブラバンに参加していた。その過程で仲良くなったグループである。
東京を離れてから10年、楽団に参加することはなくなり、年に一度の演奏会もすっかりご無沙汰してしまった私だが、なぜか彼らは今も私のことを気にかけてくれていて、「帰国祝いにバーベキューをしましょう」と言ってくれた。もちろん、帰国祝い、というのは単なる名目で、毎年この時期に恒例行事として行っているバーベキューに、私も誘ってくれたわけである。
野外で肉を焼きながら、いろいろと話をする。
「今年の10月に演奏会があるから、出てみないか。それに、来年の5月には、記念すべき20回目の定期演奏会があるから、絶対に出てもらわないと」と、同期のフクザワが言う。
東京を離れるとき、またいつか、この楽団に戻ってくるよ、と、同期のフクザワに約束した。フクザワは今も、世代交代のいちじるしいこの楽団にふみとどまり、毎年の定期演奏会に出続けている。私に会うたびに、私の復帰を待っているのだと言ってくれる。
しかし、現実にはなかなか難しい。もう楽器を吹かなくなって10年もたってしまっているし、いまの仕事の状況からいっても、ふだんの練習に参加することはほぼ不可能である。かりに今から、再び楽器の練習を始めたとしても、とても演奏会に出るくらいのレベルにまでは戻らないだろう。
だが、フクザワとの約束を果たすためにも、もう一度舞台に立ちたいな、とも思う。
待てよ、一つだけ方法があったぞ。演奏に参加できなくとも同じ舞台に立てる方法が…。
はたして、10月に私は舞台に立てるだろうか?
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