10周年
6月11日(金)
土曜日の研究会のため、上京。
数日前が10年目の結婚記念日であることを、すっかり忘れていた。
妻からも連絡がなかった、ということは、妻も忘れていた、ということだろう。
そんなこともあったので、金曜日の夕方に東京駅で妻と待ち合わせて、渋谷で映画を見ることにした。
渋谷で映画を見る、というと、なんとなくお洒落な感じがするが、見ることにした映画は、「ビルマVJ」という、ミャンマーの民主化運動についてのドキュメンタリー映画である。
見ていて、何とも暗い気持ちになってきた。ミャンマーは、大変なことになっているんだな。
映画を見終えて、映画館の隣にあるスターバックスでキャラメルフラペチーノを飲みながら、ミャンマーの将来について2人で話していると、隣の席に、いかにも、といった20代後半か30代前半くらいのこじゃれた女性3人が座って、話し始めた。
耳に入ってくる話は、
「女子はね、27、28くらいまではまだ大丈夫なんだけど、29歳になると危険よ。ほとんど思考が30代になっているから」
なんて感じの話。
出た!これが噂の「ガールズトーク」か!?
「ねえねえ、着てみたいウェディングドレスって、ある?」
「私ね、今までで一着だけ、着てみたいな、と思うドレスを見つけたの」
この手の話を延々としている。「男なんてのはね」などという話も。
やはり間違いない。ガールズトークだ!
リアル・ガールズトークを聞いたのは、たぶんはじめてである。
渋谷のスタバでガールズトークなんて、あまりにもベタすぎるというか、ほとんどコントのようである。
最近は、女性同士で映画「SATC2」を見た後に、カフェとかでガールズトークをするのが流行っている、と聞いたことがあるが、やはり生息しているんだな、渋谷のスタバあたりには、「正調ガールズトーク」をしているOLたちが。
あまりに面白すぎて、笑いがこらえられなくなったので、「とにかくここを出よう」と妻に言う。
そして、店を出た途端、2人で大笑いする。
私が社会学とか人類学を専攻している学生だったら、「ガールズトークの社会学(人類学)」とかいうテーマで卒論を書くために、渋谷のスタバあたりをフィールドワークするかもな。
そのくらい、いいものを見せていただいた。
家に戻ってから、妻にすすめられて映画「闇の子供たち」を見て、扱われているテーマの重さに、精神的にかなりダメージを受ける。
まったく映画に関する予備知識がないままに見たのだが、映画じたいは、完成度の高いものだと思う。とくに、キャスティングが適材適所である。妻夫木君は、「ヘタレの青年」を演じさせると右に出るものはなく、宮崎あおいは、「世間知らずで正義感の強い青二才」を演じさせると、やはり絶品である。監督は、それぞれの役者に、演技がいちばん輝く役を与えているのだな、と実感する。
江口洋介、妻夫木聡、宮崎あおい、佐藤浩市、といった、大河ドラマで主役をはる人ばかりが出演し、かつ主題歌が桑田佳祐ときたら、誰でもこじゃれた映画を連想してしまうが、映画じたいは、とても暗く、重いテーマである。その不思議なバランスが、この重いテーマを映画として成り立たせているのだろう、と思う。
ともあれ、なんとも振り幅の大きな一日だった。
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コメント
以前、江頭2:50氏が「闇の子供たち」について批評している番組を見たことがあります。
江頭2:50氏は、加害者側に偏った脚本だと苦言を呈していました。
役者が個々にいい演技をしても、主題をうまく調理できないと、奥深さにかけてしまうのではないか…ここまで考えてみて、向けた刃が自分に返ってきた思いがします。冷や汗。
投稿: 長楽寺日記 | 2010年6月14日 (月) 00時41分