低集客率のアジョッシ
6月3日(木)
来週の月曜日に、うちの職場が主催する公開講座で話すことになっている。
申込人数が気になり、事務担当のTさんに聞いてみた。
「今回は、例年にくらべて、申し込む人が格段に少ないんですよ」とTさん。「例年とまったく同じように宣伝しているんですけどね」
私も、韓国に長期留学する前に、公開講座の企画や実施を担当していたから、人数を聞いて、「こりゃ、例年よりもかなり人数が少ないな」ということがすぐにわかった。
「一体どうしちゃったんでしょう?」と、Tさんがいぶかしむ。
私には、その理由がすぐにわかった。
それは、この私が、公開講座で話すことになっているからである。
よく、「低視聴率ドラマの女王」っていう言葉があるよね。
CMにたくさん出たりしてけっこう売れている女優さんが、ドラマに出ると、なぜか決まって視聴率が低い、というジンクスをもっている人。
私は、まさにそれである。
いろいろな講座や講演会で話す機会があるが、私が話すときは、決まってお客さんの人数が異常に少ない。これは本当である。ビックリするくらいに少ないのだ。
あるところで連続講座を依頼されて、引き受けたときは、直前になって、「すいません。人数が集まらなかったので、中止にさせてください」と言われた。
そんなことが、2回もあったのだ。
いや、本当は3回だったのかもしれない。さすがに、先方は依頼するたびに講座を直前になって中止にするのを申し訳ないと思ったのか、いちど、最少人数で講座をひらいたことがあった。
つまり私は、「低集客率の帝王」なのである。いや、有名人というわけではないから、帝王じゃないな。「アジョッシ(おじさん)」だ。
「私が話すことになっているから集まらないんですよ」と、私がTさんに言うと、またまたご冗談を、みたいな感じでお笑いになる。
しかしTさんは、私のこれまでのジンクスをご存じないのだ。天気でいえば、私は「雨男」なのである。
だってその講座の他のラインナップをみれば、うちの職場のドル箱ともいえる有名な先生もあとに控えているんだぜ。どう考えたって、私が足を引っ張っているとしか考えられないじゃん。
たぶん、
「自分のことを、本当にわかってくれる人なんて、少ないのさ…」
というねじ曲がった私の根性が、知らず知らずのうちに、負のオーラとして出ちゃってるからではないだろうか。
よし、こうなったら逆に、これ以上申し込みが増えないように祈るばかりだ。
当日は、飛び入り聴講歓迎、学生の聴講は無料らしいが、そんなことはどうでもよい。
どうか、これ以上、人が集まりませんように。
宣伝だって、絶対にしてやるもんか!
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