トツカ山・点の記
8月12日(木)
2週間ほど前だったか、勤務地にある別の職場の先生から、
「8月の前半に、学生たちと一緒に古墳の測量調査をしていますので、近くにいらしたときはぜひお立ち寄りください」と、お誘いのメールが来た。毎年夏に恒例の調査実習である。
韓国から帰国後、その先生にお会いする機会がなかったこともあり、いちど挨拶をかねて調査現場を訪れなければ、と思っていた。
昨日、午前中の会議が終わったお昼過ぎ、車で調査現場まで向かうことにした。現場は、私の職場から車で1時間くらいのところである。
ところが現場の近くまで行くと、突然、大雨が降り出した。
これがゲリラ豪雨、というやつか?
現場の先生に電話すると、「調査を中断して、車の中で待機している」とのこと。やむなく、引き返すことにした。
そして今日の午前、再び調査現場に向かう。
測量調査は、小高い山のふもとで行われていた。山道を少し歩いた、林の中である。
山道の脇に車を止め、ドアを開けて車を降りたとたん、驚いた。
ビックリするくらいの量の蚊が私のまわりに集まってきたのである。
それに昨日のゲリラ豪雨と、近づいている台風の影響で、ものすごい湿度の高さである。
どのくらいの蚊の量かというと、
むかし、子どものころ見ていたアニメで、主人公が蜂の大群に追いかけられるシーンのとき、蜂の大群が「人文字」ならぬ「蜂文字」で、「←」とか、「?」とか作りながら追いかけていたよね。あんな感じの量。
あいかわらず、たとえがわかりにくいか。
とにかくすごい量の蚊なのである。
久しぶりに先生に再会し、調査の様子をうかがう。
「もう1カ所、上の方でも測量調査しているんですけど、せっかくですから見に行きませんか?」と先生。
今度は山の中腹にあるもう一つの調査地点に向かう。
標高じたいは全然高くないのだが、昨日のゲリラ豪雨の影響で、道がぬかるんでおり、滑り落ちないように気をつけながら、のぼっていく。
加えて、ものすごい高い湿度で、たちまち大汗をかく。
そしてその汗をかぎつけたのか、大量の蚊が寄ってくる。
全然たいした山じゃないのに、何でこんなに大変なんだ?
数日前、木村大作監督の映画「剣岳・点の記」をテレビで見たばかりだったので、なんとなくそれが思い出された。たしかあれも、山を測量する、という話だったよな。
いわば「トツカ山・点の記」だ。もっとも、敵は吹雪でも雪崩でもなく、湿気と蚊だが。
そんな中でも元気に調査をしている学生のみなさんに脱帽。
見学を終えて、下山すると、ビックリするくらいの汗の量である。
どのくらいの量かというと、服を着たまま、プールに飛び込んで50メートルを泳いだくらい、服が濡れている。この夏の最高記録かも知れない。
みなさんとお別れして、車で職場に戻る途中、コンビニに寄って、飲み物を買おうとしたが、「さすがにこのずぶ濡れの姿では、不審者かあるいは何かの被害者とまちがわれて通報される可能性があるな」と思い、やめた。
いったん家に戻り、着替え、洗濯、シャワーをすませ、職場に向かった。(つづく)
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