夢を託した100円を
どうにもこうにも、やる気が出ない。
私の場合、新学期が始まる直前になると、いつもこんな気分になる。
世に「五月病」というのがあるが、私の場合は、「三月病」「九月病」である。
先週の土曜日(25日)も、学生11人と一緒に、まる1日、隣県までタプサ(踏査)に出かけたが、私自身、なんとなくテンションがあがらず、学生たちには申し訳ない気がした。踏査じたいは、たいへん充実したものであったのだが。
1週間ほど前に浅草に行って以来、iPodに入っているビートたけしの「浅草キッド」(ビートたけし作詞・作曲)を、くり返し聞いている。
この歌を聴けば、浅草の仲見世や浅草寺の風景がよみがえる。歌詞の中に、浅草の風景が上手にちりばめられているのだ。
何より、これは、圧倒的に「芸人賛歌」である。
芸人がこの曲を聴いたら、間違いなく泣くのではないか。
名曲であるがゆえに、いくつかのカバー曲が出ている。私も、ごくたまにカラオケに行くと、この曲を歌うことがある。だが、この曲は、ビートたけしが歌ってこそ、説得力がある。
この歌が愛されているかぎり、ビートたけしは「芸人の星」として、君臨しつづけるであろう。
歌詞は、漫才コンビの相方への思いを綴っているような内容だが、歌の最後の
「ひとり訪ねたアパートで
グラス傾け懐かしむ
そんな時代もあったねと
笑う背中が揺れている」
は、ビートたけしの師匠、深見千三郎とのエピソードがもとになっている、と、どこかで聞いたことがあった。不確かな記憶だが。
おそらく、浅草でのさまざまな人との思い出が、重層的に歌われているのかも知れない。
さて、1週間ほど前に浅草に行ったときに、浅草寺で、ふと、この歌の一節を思い出した。
「夢を託した100円を
投げてまじめに拝んでる
顔に浮かんだおさなごの
無垢な心にまた惚れて」
これは、浅草寺でのことを歌っていたんだな。
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コメント
我回家了。北京はなんともなく、日本が騒ぎすぎの感あり。
で、この話は後にして、新学期ブルーな諸兄に朗報。「世界の料理ショー 傑作選ブルー」と同「傑作選レッド」(各980円)がファミリーマートで発売。即決購入しました。これで後期もごきげんだぜ、なあ、スティーブ。
投稿: こぶぎ | 2010年9月30日 (木) 11時48分
おかえりなさい。新学期がはじまってしまいましたが、近いうちにみやげ話を聞かせてください。「世界の料理ショー」、さっそく通りかかったファミマで探してみましたが、見つからず。また探してみます。
投稿: onigawaragonzou | 2010年10月 1日 (金) 00時22分
先日はお世話になりました。
この前、占い師さんに「なぜ神社やお寺でお賽銭をあげないのか?」といきなり言われました。何件も続けて回っていて、小銭がなくなり数回お賽銭をあげない時があったんです。それが見えたらしく、怖いのでそれからは何軒回るかを考えて小銭を持って歩くようにしています。
投稿: yuppy | 2010年10月 9日 (土) 19時41分
占い師さんて、そんな細かなところまで見えるんですか?だとしたら私には「なぜあなたは洗濯物のしわを伸ばさないままほすのか?」と聞いてくるかも知れませんね。
投稿: onigawaragonzou | 2010年10月11日 (月) 22時22分