ビバ!OB楽団その1 リハーサル
10月10日(日)
いよいよ、演奏会の当日である。
その前に、これまでのあらすじ。
大学生のときに、高校の吹奏楽部のOBで吹奏楽団を旗揚げした。その時、たまたま最年長者だった、という理由で、初代団長となった。
それから東京を離れるまでの約10年間、年に1度、演奏会を開いた。
東京を離れてからというもの、演奏会に出ることがないまま、10年がすぎた。
今年の5月、楽団の仲間であるフクザワ、トビー、チエちゃん(トビーとチエちゃんは夫婦)、そしてミエちゃんといういつものメンバーに呼ばれて、バーベキューに参加したときに言われた。「そろそろ、出ませんか?」
だがこの10年、実は楽器を手にしていない。もう演奏者として出ることは不可能だった。
「じゃあ、司会でお願いします」とトビー。
実は、私自身も、音楽会の司会、というものをいちどしてみたい、と思っていた。願ってもないチャンスである。
そしてこれが発端となり、10月の演奏会で、司会をつとめることになったのである。
ここまでがあらすじ。
さて、8月に打ち合わせをしたときに、演奏する曲目や、全体の構成などを聞かされて、あ然とする。
(これは荷が重すぎるぞ…)
実直な現団長のミツゾノ君が言う。
「今回は、どちらかというと演出重視ですので、司会がお話しされる時間は、比較的余裕があります。それと、客いじりの企画もありますので、そのへんのところもうまく…」
要は、詳細はおまかせします、ということだった。
その時から、司会の原稿作りがはじまった。生来の凝り性が災いして、演奏曲の由来や豆知識を調べていくうちに、どんどんと原稿が長くなる。最終的には、8000字以上にもなってしまった。
ふつう、8000字の原稿を読もうとすると、30分はかかる。
演奏会2時間のうち、30分が司会のしゃべりだとすると、4分の1が司会の話ということになる。いや、正確には、15分の休憩が間にはいるから、場合によっては3分の1くらいということにもなりうる。
どう考えても長いな、これは。
いちど9月のリハーサルで試してみた。たしかに長いな、と思ったが、とくに団長からも異論がなかったので、このままでいくことにした。
前日の9日(土)、はじめて通しのリハーサルをしてみたが、生来の滑舌の悪さに加え、原稿をカミたおしてしまって、散々な出来だった。
(やっぱりひきうけるんじゃなかった…)
ひどく後悔した。
翌10日(日)、本番当日。
朝9時半に会場となるホールに集合し、10時半から、最後のリハーサルがはじまる。
実際のホールを使っての、最初で最後のリハーサルである。自然と、ホンイキになる。
そして開演30分前の1時半、リハーサルは終了した。
この時点で私はすでにクタクタである。いまと同じことをまたやらなければならないのか、と思うと、ゾッとした。
急いで昼食のために買ってきたおにぎりを口にほうり込み、衣装に着替えた。もちろん、3日前に買ってきた蝶ネクタイをして、である。
うーむ。思い出しながら書いているだけでくたびれてきた。(つづく)
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