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蝶ネクタイ

10月6日(水)

いよいよ今週の日曜日、演奏会で司会である。

「音楽会の司会」といえば、蝶ネクタイ。

…と勝手に思いこんでいる私は、蝶ネクタイを買わなきゃ、と思っているのだが、そもそも、蝶ネクタイがどこで売っているのか、とか、値段がいくらくらいするのか、といったことが、よくわからない。

そうこうしているうちに、本番が近づいてしまった。

調べてみると、通信販売でも蝶ネクタイは買えるようだが、実物を見ずに買うのは、少し勇気がいる。それに、いまからインターネットで注文しても、本番までに間に合わないかも知れない。

妻に電話で相談する。

「どうすればいいだろう…。こんなことなら、この前、お台場で見つけたときに買っておけばよかった」

Photo 先日、韓国からいらしたナム先生ご一行をお台場の「台場一丁目商店街」にご案内したときに、蝶ネクタイを売っているのを目にして、実際に鏡の前で、自分の胸もとにあわせてみたのだった。

「何言ってんの?」と妻。

「え?」

「あれ、蝶ネクタイじゃないよ」

「?」

「女の子の髪飾りだよ」

なんと!私が蝶ネクタイだと思いこんでいたものは、リボンの形をした髪飾りだったのだ!

だからあの時、みんながゲラゲラと笑っていたのか。

考えてみたら、女性用のアクセサリーを売っている専門店に、あんなに大量の蝶ネクタイが置いてあるはずがない。

…そう。私は、蝶ネクタイについて、それくらいの認識しかないのだ。そもそも、蝶ネクタイを間近で見たことがないから、こんなことになるのだ。

いったい、蝶ネクタイはどこにあるのか?私は、本物の蝶ネクタイを見つけることができるのか?

「同じ背広をはじめて買って

同じ形の蝶タイつくり

同じ靴まで買う金はなく

いつも笑いのネタにした

いつか売れると信じてた

客が2人の演芸場で」(ビートたけし「浅草キッド」)

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