アジアで一番こわい町
ラジオのニュースで、韓国に修学旅行に行く予定だったある高校が、例の「砲撃戦」騒ぎで修学旅行を中止した、と伝えていた。
ここまでは、よくある話である。
だがこの高校は、昨年、その生徒たち(当時高校1年)を連れて、中国に修学旅行に行く計画を立てていた。
ところが、「新種のインフルエンザ」騒ぎで、中国修学旅行は中止になった。
そこで、次の年(つまり今年)、2年生になった生徒たちを連れて、中国に修学旅行に行く計画を立てた。
ところが、例の「領土問題」騒ぎが起こり、再び、中国修学旅行は中止になった。
そこで急遽、韓国への修学旅行を計画した。
ところが、こんどは韓国で「砲撃戦」騒ぎが起こり、またまた中止になってしまったのだ。
楽しみにしていた生徒たちは、ガックリとしたという。
うーむ。高校側の気持ちもわからなくはない。
だが、高校側がそのていどの認識なら、最初から海外なんかに連れて行かなければいいのに、と思う。
マスコミの過剰なあおりに踊らされすぎてはいないか?
たぶん、いま中国や韓国に行っても、まったく問題ないように思う。危ないところにさえ近づかないようにすれば。
私の1年間の韓国滞在経験からいって、今すぐ何かが起こる、などということは考えられない。ふつうにしていれば、何の問題もないように思う。
むしろ、日本の方が危険なのではないか?
そう思ったのが先週の金曜日(12月3日)の夜。
東京に戻り、サムギョプサル(豚の三枚肉の焼き肉)が食べたいと思い、夜7時半、妻と新宿・歌舞伎町で店を探すことにした。韓国料理屋がこの辺りに集中しているからである。
久しぶりに歌舞伎町を歩いて驚いた。
こわい!とってもこわいのだ!
道を歩いていると、ふつうの居酒屋の店員が、3メートルおきくらいに客引きをしている。
北京のワンフーチンや韓国のソウルやベトナムのホーチミンやタイのバンコクの繁華街にもこれほどの客引きがいなかったよなあ、と思いながら歩いていると、前に黒い服を着たいかにもな感じの男の人が歩いている。
すると、客引きの店員が、「どうも、おはようございます」と、その男の人に向かって深々とお辞儀をした。
だ、誰なんだ!?この人は?それに夜なのに「おはようございます」って…。
「前の人、誰だろう?この辺を見回っている警察かな」と私。
「そうは見えなかったけど」と妻。「そうじゃない方の人じゃない?」聞こえたら困るので言葉を選んだ。たしかに、警察に向かって「おはようございます」とは言わない。
私が学生時代の歌舞伎町は、こんなんじゃなかったような気がする。終電がなくなって、朝まで安居酒屋「北の家族」にいても大丈夫だったぞ。
とにかく早く店を決めなければ、身ぐるみをはがされそうな勢いである(あくまでもイメージ)。とりあえず、サムギョプサルの店をみつけて飛びこんだ。
その店じたいは、とても優良な店なのだが、韓国のサムギョプサル屋に比べて、かなり値段が高い。
物価の違いもあるので、仕方がないことであるとは重々承知している。だが、韓国では、2人で2000円も出せば腹一杯食べられるサムギョプサルが、新宿で6600円とは、ちょっと腑に落ちない。サムギョプサルとは本来、安いお金で腹一杯食べられる、学生のための焼き肉なのだ。
現象的にみれば、これはぼったくりではないか。歌舞伎町という場所が、なおさらそんな思いにさせる。
私にとって、アジアで一番こわい町は、歌舞伎町である。
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