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週末を乗りきる

12月4日(土)

先週に引き続き、新幹線を乗り継いで7時間かかる場所。

年に一度、全国から同業者が200人以上集まって、土、日に会合が開かれる。言ってみれば、年に一度の「同業者祭り」である。

もともと大人数の会合が苦手な上に、それが同業者の集まりということになると、なおさら憂鬱な気分になる。

1年で最も「自分はこの世界に向いてないなあ」、「才能がないなあ」、「力が足りないなあ」、「全国にこんなにたくさんの同業者がいるんなら、俺、いらねえんじゃないの?」と感じる2日間。

とくに初日の夜の、立食形式の懇親会では何を話していいのかわからなくなる。

だから、この2日間、どうやってやり過ごそうか、と、そればかりを考えてしまうのだ。

ところが不幸中の幸いというか、今年の会合には韓国での指導教授を始め、韓国でお世話になった先生方が、来賓としてこの会合に参加されることになった。

夜の立食形式の懇親会で、久々に指導教授の先生やそのほかの先生方とお話することができた。

幸い、同業者のなかで韓国語を話せる人間がほとんどいないので、私はもっぱら、韓国からいらした先生方とお話したり、日本の同業者との間で簡単な通訳をしたりしていたら、あっという間に懇親会が終わった。

同じ会合に参加していた妻も、やはり韓国からのお客さんとひたすら話をしている。

いつもなら、気まずいので、誰と話すわけでもなくバイキング形式の料理をひたすら食べたり、ビールを飲み続けたりするのだが、今年は、ほとんど何も食べていない。

「私なんか、会費が5000円なのに、懇親会で唐揚げ1個しか食べてないよ。1個5000円の唐揚げって、どんだけ高い唐揚げなんだ?」と妻。話に夢中なあまり、やはり何も食べられなかったようだ。

私も妻も、人づきあいが苦手な方だが、それでもまだ妻の方がはるかにマシである。とくに、韓国語を話せるようになってからは、積極的に人とコミュニケーションをとるようになったのではないか、と思う。

私の方は相変わらず社交性ゼロだが、今回だけは韓国からのお客さんとお話できたことで、いつものいたたまれない気持ちを、いくらか紛らわすことができた。

韓国語を勉強してよかった、と、つくづく思った。

懇親会が終わり、韓国のある先生が私をからかった。

「韓国にいらした頃は、韓国語ができないからあまり喋らないのかな、と思っていたんですが、日本でも無口なんですねえ。ひょっとして日本語を忘れてしまったんですか?」

懇親会のあいだ、同業者とほとんど話をしていなかったことをよく観察しておられた。もともと社交性のない人間であることが、とうとうバレてしまったようだ。

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