モギ裁判
12月10日(金)
6年前の卒業生たちによる同窓会に、ちょっと遅れていった理由は、うちの職場の学生が年に1度主催している「モギ裁判」の公演を見にいったからである。
授業に出ている学生がこれにかかわっている、ということを聞いて、はじめて、モギ裁判公演を見にいこうと思ったのである。
1時間くらいで終わるのかな、と思っていたら、なんと、途中10分間の休憩をはさんでの堂々の2時間公演。ある架空の事件をテーマにした裁判劇なのだが、思った以上に、演劇的要素が強いものなんだな、と感心した。
見ながら、(私だったら、こういう演出をするのになあ)と思う場面もしばしばあったが、それはそれ。全部を学生たちが手がけている、ということに意味があるのだろう。
だからキャストも、20歳そこそこの学生たちが、20代から70代までの登場人物をすべて演じることになっているのだ。
休憩時間に、同僚Yさんが言う。
「35歳、って設定で、あのしわだらけの顔はないですよねえ」
35歳という設定で演じていた学生の顔は、たしかにしわの多いメイクだった。
「そうですよねえ」と私。「あれでは全国の35歳に失礼です」
「それに、あの70歳の被告人」と、今度は同僚Kさん。
「うちの母と同じくらいの年齢ですけど、あんなヨロヨロした歩き方はしません!もっとかくしゃくとしています」
たしかにそうだ。
いったい、20歳そこそこの目に、私たちは、どう映っているのだろう?
「ひょっとして」と私。
「彼ら学生たちの目には、私たちもあんなふうに映っているのかも知れません」
ガーン!3人が3人ともショックを受けた。
くどいようだが、私は福山雅治と同い年なんだぞ!
さて、公演が終わり、舞台上の小さなスクリーンに、エンドクレジットが流れる。
この公演にかかわったすべての人たちの名前と顔、さらには、この公演の準備風景を写した写真が、次々とスクリーンに映しだされる。バックには、小田和正の歌が流れていた。
そこに写っている学生たちは、さっきの老け顔のメイクとは似ても似つかない、屈託のない20歳の学生の顔だった。ふつうの大学生の顔だった。
なんか、「キョスニムと呼ばないで!」のDVDを思い出しちゃったなあ。おそらく、これもムービーメーカーで作ったんだろうな。
私は公演終了後のアンケートに、「メイクが老けすぎのように思います」「エンドクレジットがよかったです」と書いた。
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コメント
今年は行けませんでしたが、モギさいはよく見に行きます。学生演劇としておもしろいですし、ネタがチャレンジングなのもいいですね。
ただ、外部からの客の立場としては、最後のスライド上映は毎年やや蛇足な気がしていて、普通に役者が並んでカーテンコールした方がいいなとも思います。
投稿: こぶぎ | 2010年12月22日 (水) 03時23分
最後のエンドクレジットは、当事者たちにとって思い入れの深いものなのだと思いますよ。ただ、たしかにカーテンコールはあってもいいかな、と思いました。ああいう学生演劇を見ると、なんかうらやましくなって、自分もやってみたいな、と思ってしまいますね。
投稿: onigawaragonzou | 2010年12月23日 (木) 01時01分
確かに、KBS「青春不敗」のエンディングでマックフライの「All About You」という曲にのせて、その回のスナップ写真をスライドショーして終わるんですが、これだけ見ればいいというか、見ててうっすら涙ぐんじゃうわけで、ピースで集合写真、ばかりでなくて、制作の過程をスナップ写真で切り取って見せていくのは、ありかもしれませんな。
投稿: こぶぎ | 2010年12月29日 (水) 03時38分