逆算して朝9時出発
1月26日(水)
このところサボっていたスポーツクラブを、少しずつ再開することにした。
理由は、義理の妹の夫がスポーツクラブに通い出した、と聞いたからである。
義理の妹の夫は、あたりさわりのない言葉でいえば「インドア派」で、スポーツクラブに行くようなタイプではない。休みの日には家にいるのが好きで、外出するといえば、競馬か、野球か、寄席くらいだろう。
先週の土曜日の夕方も、妻の実家でみんなで焼き肉をする、というのに、来なかった。
「今日、課長はどうしたの?」と聞くと、
「二日酔いで来られんそうです。いまは家で袋ラーメンを食べとります」と義理の妹。
「課長」とは、義理の妹の夫のあだ名である。なぜか大学時代から「課長」と呼ばれている。まだ30代前半で平社員なのに「課長」と呼ばれているのだ。それはむかしから「課長顔」だからだ、と義理の妹はいうのだが、私にはそうはみえない。
それにしても二日酔いって…。もう夕方だぞ。引きこもる口実なのかもしれないな。
もともと胃があまり強くない人でもあるようだ。
韓国滞在中、義理の妹夫婦がソウルに遊びに来たとき、カムジャタン(ジャガイモがはいった辛い鍋料理)をごちそうしたが、どうも辛いのが大の苦手だったらしく、立場のいちばん弱かった彼はそのことを言えず、我慢して食べていた。それ以来、カムジャタンの鍋で溺れる夢を見るのだという。
あたりさわりのない言葉でいえば、いま流行の「草食系男子」といったところか。あるいは「小動物のような繊細な感性の持ち主」というべきか。
そんな彼が、スポーツクラブに通い出した、というのだから、不思議に思ったのである。
「どうしてスポーツクラブに通い出したの?」
と聞くと、
「最近、太りだしたことを気にしとるからです」と、義理の妹が答えた。
私よりだいぶ小柄な印象だったんだがな。
スポーツクラブに行ったからって、痩せるとは限らないよ、と言いたかったが、黙っておいた。だいたい、痩せようと思ってスポーツクラブに行く、なんてさもしい考えをしていると、私みたいにちっとも痩せないぞ。私はある時期から、「スポーツクラブは痩せるために行くんじゃない。生きるために行くんだ」と思い直すことにして、マイペースで続けることにしたのである。
まあ、そんなことはよい。
「で、明日は朝9時からスポーツクラブに行くぞ、と息巻いとるんです。だから私も、朝9時に一緒に行かにゃならんのです」と義理の妹。
ビックリである。引き…、いや、「インドア派」の彼が、日曜の朝9時からスポーツクラブに行くとは、これまたどういうことだろう。
「朝9時とはずいぶん早いね。どうしてまたそんな早くに?」
「『サンデージャポン』を見るためだそうです」
どういうことだ?
「エアロバイクの目の前に、テレビがついているでしょう。あれで、『サンデージャポン』を見るんだそうです」
なるほど。
朝10時に始まるその番組をエアロバイクをこぎながら見るためには、その前に着替えもしなければならないし、ストレッチもしなければならない。そうやって逆算していくと、「朝9時に家を出発」という結論になるわけか。
そんなにまでして観る番組か??とも思うのだが、課長にとってみたら、毎週楽しみに観ているな番組なのだから、こっちがとやかくいう筋合いのものではない。
それにしても、完全に「サンデージャポン」のせいで日曜日ががんじがらめになっとるやんけ!!「サンデージャポン」を中心に日曜日が動いている、といってもよい。
「インドア派」の人は、どこへ行っても「インドア派」なんだな、と実感。というより、スポーツクラブって、「インドア派」にやさしい空間なのね。
スポーツクラブもいいが、外へ出て運動したほうがいいのかもしれない、と思いなおす。
だがかくいう私も、そんな時間も同好の士もいないので、しばらくはスポーツクラブで身体を動かすしかない。
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