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ゴッドファーザーデビュー

フランシス・フォード・コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」と「ゴッドファーザーPartⅡ」。

実はこの年齢になるまで、この名作を見たことがなかった。

妻が、友達からDVDを借りてきていて、「絶対見た方がいいよ」と言うので、年末年始のお休みを利用してこの2作を見ることにした。

やあ、すごいなあ。この映画こそ、「何度でも見るべき映画」である。

とくに第1作目の「ゴッドファーザー」は2回見たが、たぶん、見るたびにいろいろな発見がある映画だと思う。

それに、愛とか、憎悪とか、信頼、裏切り、勇気、栄光、没落、といった、人間の強さと弱さがあますところなく表現されている。

…などという陳腐な感想はどうでもよい。

ここで書きたいのは、そんなことではない。この名画、いったいどのくらいの人びとが見ているのだろう?

一般に、映画フリークとか映画通、といった人たちは、みんな、当然のごとく見ているのだろう。あまりに名作であるため、見ているのが当然、というべき映画である。

だが一方で、映画が比較的好きな人間のなかにも、私のように、けっこうな年齢までこの映画を見たことがない、という人もいるはずである。「いまさら見たことないなんて言えない」と思っている人も、けっこういたりして。

「ゴッドファーザー」がマフィアを描いた映画だ、ということは誰でも知っている。それに、あの映画音楽も、あまりにも有名である。だから何となく見た気になっているが、だが、映画じたいをちゃんと見て、その世界観にどっぷりとひたったことのある人は、どのくらいいるのだろう?

多少大げさなことを言えば、「ゴッドファーザー」は、世代を問わず、映画好きの人間にとっての一種の「通過儀礼」のような気がする。見たばかりの人間が、偉そうなことを言えた義理ではないが…。

「ゴッドファーザー」を初めて見て、その世界観にどっぷりとひたる、という通過儀礼を、「ゴッドファーザーデビュー」と呼ぶことにしよう。

私は、42歳を目前にして、ようやく「ゴッドファーザーデビュー」を果たしたのである。

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