往復100㎞の友情
3月1日(火)
午前、所用で、じつに何年かぶりに、前の職場を訪れた。
現在の職場から前の職場までは、車で片道50㎞の道のりである。
所用をすませたあと、Yさん、Kさん、そしてこぶぎさんとで昼食をとった。
「1時半から会議があるので」とこぶぎさん。
私も、昼食を食べたら、すぐに勤務先に戻らなければならない。
あわただしい時間だったが、こぶぎさんは、ここ最近の私の日記から、私がいろいろと悩んでいることを察したらしい。ご自身も似たような「曲がり角」にあるという。
「この前、北海道までフェリーで行ってね」とこぶぎさん。
「へえ、フェリーで」
「そのとき、『船中八削』っていうのを考えたんだ」
「船中八策?」
「サクは削るの削ね」
その発想が、こぶぎさんらしくていい。彼の考えた「船中八削」は、私にもあてはまりそうだ。
あっという間に1時半近くになった。
「あ、会議に行かなくちゃ。じゃあ、続きは晩メシで」とこぶぎさん。
「え?」
「夕方、そっちに行くよ」
なんと、会議が終わってから、今度はこぶぎさんがわたしの勤務地に来るという。
「Kさんも、行くでしょう?」
ということで、Kさんも含めた3人で、夕食をとることになった。
私は50㎞かけて職場に戻り、あれこれと仕事をしていると、あっという間に6時半になった。
こぶぎさんの車が職場に到着し、3人で近くのファミレスに向かう。
あとは、例によって、延々と四方山話。
「この時期のミステリー」の謎解きとか、インフルエンザワクチンの話とか、ハッピーバースデーの謎の解明とか。ま、話題の多くはこの日記の裏話だった。
「内容じたいがミステリー、というのが面白いですね。まるで筒井康隆の小説のようです」とKさん。
そうか、このジャンルはすでに筒井康隆が開拓していたのか。
「ハッピーバースデイの謎は、共同研究したら面白いですね」と、これまたKさん。
「いいですね。やりましょう」
いろいろと話をしているうちに、どん底だった気持ちがだんだん晴れてゆく。
気がつくと夜12時近くになっていた。
「じゃあまた」
こぶぎさんとKさんは、また50㎞かけて、自宅に戻った。
往復100㎞をかけての夕食。いや、昼間の私の往復を合わせると、1日に200㎞を移動しての、昼食と夕食である。予想外の展開だったが、このタイミングで四方山話ができたことに感謝した。
考えてみれば、どん底のような気持ちだったこの日、前の職場の友人や今の職場の友人にどれだけ励まされたことだろう。
もちろん、妻の電話にも励まされた。これは、言っておかないと。
学生時代からの友人も悪くはないが、職場で得た友人も、相当いいものだ。
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コメント
さきほどはお疲れ様でした。たぶん上の記事を書いている同じ頃、帰り車の中では、早坂文雄に、探偵推理の続き、さらに「歌う国民」から唱歌の話へと、話とまらず、K先生もお喜びのご様子でした。
船中八削の末に行き着いた北海道で、サザエさんの巨大な雪像を見たり、ペンギンの散歩(間近で見るとペンギンの顔はとても怖い)やら、オオカミの(バーチャルでない)リアルな「モグモグタイム」を見た話は、また別の機会に。
投稿: こぶぎ | 2011年3月 2日 (水) 02時01分
男子会、というか初老会、お疲れさまでした。スウィーツと洒落込んで「まるごと苺シフォン たっぷりカスタード&生クリーム」を食べたまではいいものの、さすがにキツかったですね。あんなに大きなものとは思いませんでした。オッサン3人は、周りにどう映ってたんでしょう。ま、気にせずまたやりましょう。
投稿: onigawaragonzou | 2011年3月 3日 (木) 00時23分