チャーハン
3月20日(日)
「忘れた頃に更新する」でおなじみのこぶぎさんのブログで、私のハンバーグ弁当に刺激されたのか、炊飯器でケーキを作った写真を載せていた。題して「こっちも料理ショー」
別に対抗しようというわけではないのだが、念願の卵が手に入ったので、チャーハンを作ってみた。いい歳をしたひとり暮らしのオッサンの「自炊ブーム」が来た、ということか。
午前、義援金を持っていこうと、市役所まで歩いていった。平日は職場との往復だったので、市内に出るのは久しぶりである。
市内の目抜き通りを歩いていると、後ろから声をかけられた。
「市役所はこの先ですか?」
振り返ると、団塊の世代の夫婦、といった感じの方である。
「そうです。この通りをもう少し行った左側です。私も市役所に行くところです」と私が言うと、
「もしかして、どこかから避難されてきた方ですか?」と聞かれた。
「いえ、ここに住んでいる者です。…ひょっとして、どこからかいらっしゃったんですか?」
「ええ、福島です」
「そうですか。避難所にいらっしゃるんですか?」
「いえ、息子がたまたまこっちの大学にいて、アパートを借りているんで、とりあえずそこに避難しています」
「失礼ですが、福島のどちらですか?」
「南相馬市です」
「そうですか。南相馬市の何区でしょうか」
「小高区です」
「とすると、南の方ですね」
「ええ、原発の近くです。だから、当分は戻れんのです。いっそ、このあたりに居を構えようかと思って。いつまでも息子のところにいるわけにもいきませんし。それで、市役所に行って、どうすればよいのか聞いてみようと」
「そうでしたか。私の知り合いにも、原町区の方がいて、県外に避難されました」
「そうでしょう。いまはとにかく、知り合いをたよって全国どこへでも避難しないと…。私も早く落ち着く先を見つけて、身内を呼び寄せなければなあと思ってるんです。高齢者もいますしね」
市役所に到着した。
だが、市役所は閉まっていた。休日だから当然といえば当然である。
「閉まってますねえ」
「さっき地図で調べたら、この近くに不動産屋さんがあるみたいなので、そっちに行ってみます。どうもありがとうございました」
そう言うと、ご夫婦は不動産屋に向かった。
結局、何もお役に立てなかったなあ。
いま来た道を南に引き返すと、目抜き通りには多くの人々が行き交っている。
(この方たちもどこかから避難してこられたのだろうか…)などと考えながら歩いていると、中心街が終わったあたりで、4人家族(両親と、高校生くらいの娘2人)らしき人たちとすれ違った。
「会津と変わらないか…。ね」お父さんが、娘たちに言う。
「うん、そうだね」娘が答えた。
4人は、目抜き通りを北に進み、デパートのある中心街の方へと歩いていった。
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