思い立ったが吉日…か?
3月2日(水)
気分を切りかえるためにも、何か新しいことをはじめなければならない。
同僚が「英会話でも始めたらどうです?」と勧めてくれた。
考えてみたらこの仕事、これからは英語で話ができないと生き残れなくなるかもな。
周りには英語をふつうに話せる人が多い。かねがね「うらやましいなあ」と思ってきた。
でもなあ。韓国語だと、「この人と韓国語で話がしたい!」という強い動機があるから意欲がわくのだが、英語となると、「この人と英語で話がしたい!」という人がいない。
仮に私がミュージシャンだったら、海外のアーチストと話がしたい、と思って英語を勉強しただろう。だが残念なことに、私はミュージシャンではない。
…などと屁理屈を並べたてながら、これまで英語の勉強をサボってきたのである。
しかしそうも言っていられない。
聞くと、ラジオ講座の「実践ビジネス英語」あたりを聞いている同僚がけっこういるという話である。
思いたったが吉日である。ここはひとつ、本屋に行ってラジオ講座のテキストでも買って勉強してみることにするか。
またはじまった。「カタチから入るタイプ」の私の性格が。
本屋に行くと、英語のラジオ講座といっても、いろいろな種類があることをはじめて知る。むかしは、「基礎英語」と「続基礎英語」と「英会話」くらいだったと思ったんだが。
(これが「実践ビジネス英語」のテキストか…)と手にとる。
(む、難しい…)
というか、そもそも私の英語のレベルがどのくらいなのか、全然見当がつかないのである。
その横に、今度は「入門ビジネス英語」のテキストがある。
(「入門」だったら大丈夫だろうか…)と手にとる。
(でもなあ、同僚の多くが「実践ビジネス英語」で勉強しているのだとしたら、「入門」で勉強するってのは、「負け」のような気がするなあ)
ほーら出てきたぞ。ヘンなプライドが。
(ここは無理してでも「実践ビジネス英語」に挑戦してみるか…)
こうなると、いつもの悪い癖である。
(いや、ここは判断がつかないから、とりあえず「入門」と「実践」2冊を買って、実際に講座を聴いてみてから判断してみよう)
ということで、2冊を手にとった。ふとその横に目をやると、「英会話」というテキストがある。
(「英会話」か…。そういえば、そもそも英会話を勉強したい、と思ってたんだよな。ついでだから、「英会話」のテキストも…)
ということで、3冊を手にとった。すると、
「『ビジネス英語』なんて、絶対に必要ないと思うよ」
誰かの声が聞こえた。振りかえってみるが、誰もいない。
「絶対に必要ないって!」
誰だ?うるさいなあ。
もう一度「ビジネス英語」のテキストを見ると、「契約を交わす」とか、「電話会議をする」とか、「業績評価を行う」とか、日本語でもしたことのないようなテーマの英語表現がとりあげられている。
たしかにこの先、私が英語で契約を交わしたり、業績評価をしたりすることは、絶対にないだろう。
(ここはいったん、頭を冷やそう)
3冊のうち、「実践ビジネス英語」と「入門ビジネス英語」をもとあった場所に戻した。
それにしてもさっきの声は…?
韓国語の勉強をはじめようと思って韓国語のテキストをたくさん買いこんだときに、「そんなにたくさんのテキストは必要ない」と言われたときの妻の声に、よく似てたなあ。
ま、思いとどまっただけでも成長したということだろう。
ついでだからほかのところも見ていると、「男はつらいよ」のDVDマガジンの最新刊が出ていた。
「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」だ!沢田研二と田中裕子が共演したやつ。
創刊号から買っていた私は、すかさず購入した。
家に戻り、さっそく英会話の勉強をしようと思ったのだが、
(英会話はいったん置いといて、寅さんを見よう。いったんね、いったん)
この「いったん」がよくない。
見はじめたらとまらない。
(やっぱり寅さん、面白いなあ)
いちど最後まで見て、それが終わったら今度は、面白かった場面をセレクトしてもう一度見直す。
「寅さんは、恋をしたことがありますか」と、沢田研二扮する三郎青年が寅さんにたずねる場面。寅さんの反論の言葉がすばらしい。
「オイ、コラ、お前、誰に聞いてるんだ!『恋をしたことがありますか』?俺から恋をとってしまったら何が残るんだ。三度三度飯を食って、屁をこいてクソをたれる機械。つまりは造糞機だよ。なあ、おいちゃん」
「…バカだねえ」おいちゃんが呆れる。
むかしこの映画を観たとき、このセリフまわしが面白くて、暗記したもんだったなあ。渥美清が言うと、どことなく品があるから不思議である。
そんなことをつらつら思いながら、気がつくと、けっこうな時間が経っている。
「うわぁぁぁ!もうこんな時間かぁぁ!」
結局この日、英会話の勉強はできなかった。
おかしいなあ。寅さんのセリフはすぐに覚えられるのに。
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コメント
こんばんは。寅さんのDVDには英語の字幕があったような気がしますが、それで勉強すれば?以前「英語でしゃべらナイト」で特集していたような。
それからとりあえずTOEIC受けてみることをお勧めします。
投稿: フクザワ | 2011年3月 6日 (日) 01時50分
私の持っているDVDには英語字幕がありませんでした。残念。でも、寅さんの口上を英語でどう言っているのかは、とても興味がありますね。
投稿: onigawaragonzou | 2011年3月 7日 (月) 00時14分
そうですか…残念。
amazonをみると、少なくともHDリマスター版には英語字幕機能が付いているようです。
私はフランス人と(英語で)仕事する機会が多いので、今年はフランス語に手を出そうとしています。アザブジュバ~ン、とかでなくちゃんとしたやつね。
投稿: フクザワ | 2011年3月 7日 (月) 12時03分