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ハンバーグ弁当と中国茶

3月17日(木)

昨晩、職場の帰りに行きつけのスーパーに立ち寄ったら、ひき肉が売れ残っていた。他の食料品は全くないが、肉だけはまだいくらかは供給があるらしい。

さっそく夕食でハンバーグを作ってみた。どこのレストランよりも、美味しいハンバーグであった。

Photo_2 ということで、今日の昼の弁当は、ハンバーグ弁当である。

いままでのおかずは、「マカロニサラダのマカロニだけ(野菜なし)」というやつだったが、今日はそれにハンバーグが加わった。それに、ハムも手に入ったので、「マカロニサラダのマカロニだけ、ハム付き」となった。味見をしてみたが、ハムが入っているのといないのとでは、味が全然違うなあ。

職場に行こうと思って外に出ると、やはり大雪である。

(まいったなあ…)

2 野ざらしにしてある拙車に、かなり雪が積もっている。いつでも車の応援要請に応えられるように、とりあえず雪かきをすることにした。

しかし、エンジンをかけて車を暖めながら、なんて暢気なことはできない。スコップで車の雪をはらい、駐車スペースの雪をとりはらう。

雪かきをしながら思う。学生のころ、まさかこんなことをするなんて思ってもいなかったなあ。私は子どものころ、わがままで、典型的なガリ勉で、運動嫌いだったのだ。それがいまは、過酷な自然や災害とむきあいながら生きているんだからなあ。…思わず自分のいまの置かれている状況に笑ってしまう。

職場に行くが、同僚はほとんど来ていない。ま、ガソリン不足だから仕方がない。

事務室に行くと、「先生、これ、卒業祝賀会が中止になったので返金です」と、封筒を渡された。ずいぶん早い対応だ。

「あのぅ…、これ、義援金にまわせませんか?」と私。

「ええ、そういう声もいただいているんですけど、うちの職場ではまだそういうこと(義援金を受けつける体制)について何も決まっていないもので…とりあえずお返しします」

どうもよくわからない。返金については対応が早いのに、義援金の体制はまだ何もできていないのだという。

誤解のないように言うと、これは事務職員さんの責任では決してない。昨日の意志決定の会議で、なぜ、そういうことについて話し合われなかったのだろう?まっ先に話し合うことって、そういうことなんじゃないだろうか。

だんだん腹が立ってきた。

いかんいかん。このブログでは愚痴は書かないことにしていたんだった。

お昼になり、ハンバーグ弁当を食べながら、いただいた中国茶を入れて飲む。やはり美味しいなあ。

Photo_3 4年生からもらったマグカップには、「ありがとう。こころをこめて」と書いてある。

先週にこのマグカップをもらった時点と、地震が起こってからは、「ありがとう」の意味あいが、ちょっと違ってきているのかも知れないな、と思いながら、温かい中国茶が飲める幸せをかみしめた。

ガソリン不足で自宅から身動きのとれない4年生のSさん(リーダー)からメールが来た。「私の妄想話です」とことわったうえで、次のような内容のことが書いてあった。

このたびの災害で、卒業式と祝賀会が中止になったことは、不謹慎かも知れないが、とても残念に思う。でも、できれば1年後くらいに、私たちの卒業祝賀会を開きたい。それが、私たち学生や、そのご家族たちにとって、小さな希望になるのではないか、と。

Sさんは、あくまでも妄想です、と、何度もことわったうえで、上のように書いてきたのである。

でも、妄想は言葉にしないと、実現はしない。むかしから「言霊」という言葉があるでしょう。だからここに書かせてもらいましたよ。

それに、この状況下で卒業式や卒業祝賀会について考えることは、ちっとも不謹慎ではない。卒業は、祝福されるべきものである。人生で大事な瞬間だからこそ、祝福されるのだ。結婚式だって、同じだ。

1年後に卒業祝賀会、いいじゃないか。やろうじゃないの。

「これはひとりの人間には小さな妄想だが、みんなにとっては大きな希望である」

なんてね(「これはひとりの人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」というアポロ11号のアームストロング船長の言葉のパクリ)。

Sさんはこの4月から、この職場の職員となる。まさにうってつけの人材だ。

「ひょっとして、あなたはそのために、4月からこの仕事につくことになったのかもしれません。だとしたらこれはやはり、運命ですね」

Sさんへの返事の最後に、私はそう書いた。

返金されたお金は、1年後に行われる祝賀会までとっておくことにしよう。

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コメント

 今日の卒業式は中止でしたが、学位記を取りに来た学生を学長室に呼び込み、学長自ら手渡しした上で一緒に記念撮影する、という粋な計らいをしたため、通常の卒業式よりかえって忙しくなっちゃいました。幹部連中が引揚げた後は、逃げ遅れた不肖わたくしめが学位記を代読して学生に渡す始末にも。
 そんな一日が終わり、こちらの「祝賀会」は某学科の卒業生と教員助手6名で、猛吹雪の中、職場近くのパスタ屋でささやかな祝杯を挙げました。

 わたくしめも自炊中心となり、職場へも自転車通勤に切り替えましたので、これを機に「震災ダイエット」を始めようと思ったのですが、計画停電(結局回避)で溶けてしまうからと学内売店がアイスを無料で放出したため、ここ毎日アイスを食べ続けています。

投稿: こぶき | 2011年3月18日 (金) 00時34分

私の妄想に言霊を吹き込んで下さり、ありがとうございます。(笑)

あのあと同学部卒の同期に連絡をとったところ、私とまったく同じ妄想をしていて、驚きと同時に大変嬉しくなりました。

…やはり運命なのかもしれないですね。

投稿: S(リーダー) | 2011年3月18日 (金) 14時12分

こぶぎさん。「職場近くのパスタ屋」とは、川べりのパスタ屋さんでしょうかね。いま、スーパーにはパンはないがアイスや甘いお菓子はある。「パンがなければケーキを…」が真理であることを実感する日々です。
Sさん(リーダー)。ま、各自がそれぞれの持ち場でがんばろう、ということです。運命とはそういうものです。

投稿: onigawaragonzou | 2011年3月18日 (金) 20時19分

 お察しの通り、車の後ろタイヤに似た名前の店です。節電で早仕舞いする店が多いのか、ふだんより賑わっていました。
 パソコンでラジオが聴けるホームページの「ラジコ(radiko)」が震災のためエリア制限を無くしたので、勤務地でも大沢悠里のゆうゆうワイドを聴けるようになりました。まむしさんが、駆けつけたおっちゃんから「こんな馬鹿な番組が聴けるのが一番」とお褒めの言葉を受けたのを聴いて、これからも、おパボなコメントを書いていこうと思いました。明日は永さんの土曜ワイドが楽しみです。

投稿: こぶぎ | 2011年3月19日 (土) 01時37分

まむしさん、元気にラジオやってるんですね。それを聞いて元気が出ました(笑)。私も来週聞いてみようっと。

投稿: onigawaragonzou | 2011年3月19日 (土) 20時30分

わたくしのパボブログを更新しました。下のリンクからどうぞ。どっちも料理ショー。

投稿: こぶき | 2011年3月19日 (土) 22時35分

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